シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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経済政策論 | 2025 | 前期複数 | 火4,金2 | 経済学部 | 瀧澤 弘和 | タキザワ ヒロカズ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-PO2-01XX
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
現代経済学は,ゲーム理論の発展を受けた制度の経済学,比較制度分析や契約と組織の経済理論,実験を用いた市場設計や開発経済政策の策定などを発展させて,さまざまな現実の諸側面に関連するようになり,さまざまな分野で利用されるようになってきている.本講義では,経済学が実際にどのように用いられており,現実とどのように関わっているのかを理解してもらうような話をするつもりである.全体を連ぬくテーマは,市場をどのような観点から見るのかということになる.
また、比較制度分析という経済学の領域を紹介し、それがどのように現代経済を見る視点を与えてくれるのかについて解説する。
科目目的
1年次に履修した基礎ミクロ経済学、基礎マクロ経済学を基盤としたうえで、さらにそれをゲーム理論による制度分析の研究の進展で補足し、現実の経済と経済学がどのように関連しているのかについての学生の理解を深化させることを目的とする。
到達目標
本講義を履修することで,学生が以下のような到達点に達することを目的としている。
1) ゲーム理論による制度分析、行動経済学、実験経済学などが 、現代経済学において、経済を見る視点をどのように変えているのかを説明することができる。
2) さまざまな政策課題に経済学がどのように関連しているのかについて、具体例をあげて説明することができる。
3) 日本の経済システムの特徴を他の経済システム、とりわけアメリカの経済システムとの対比で説明することができる。
授業計画と内容
全体は3部から構成されている。
最初は、テキストであげている『現代経済学』(中公新書)に沿う形で、現代経済学についての解説する。
次に、『市場を創る』を用いながら、経済学がどのように現実経済に関連しているのかを解説する。
最後に、比較制度分析について解説する。
第1回:経済政策論(と現代経済学)への導入
第一部:現代経済学
第2回:経済学の現在(1):経済学の全体像,ミクロ経済学
第3回:経済学の現在(2): ゲーム理論の基礎
第4回:経済学の現在(3):ゲーム理論の実社会への応用
第5回:経済学の現在(4):行動経済学,実験経済学
第6回:経済学の現在(5):開発経済学
第7回:経済学の現在(6):経済史
第二部:現代経済学の市場へのまなざし
第8回:市場についての様々な見方,自生的秩序としての市場
第9回:市場のもっとも醜悪な側面
第10回:情報の非対称性は市場取引にどのような影響をもたらすのか
第11回:公式の法制度がなくても商売が成立するのはどうしてか
第12回:オークション理論の現実での利用
第13回:所有権は市場においてどのような役割を果たしているのか
第14回:知的所有権とは何なのか
第15回:人類は外部性をいかに処理してきたのか
第16回:政府の腐敗は経済成長にどのように関連しているのか
第17回:社会主義はどうして失敗したのか
第18回:企業はどうして効率的に運営されているのか
第19回:市場設計のさまざまな例
第20回:経済改革とはどのようなことか
第21回:グローバル化は格差と貧困にどのように影響するのか
第三部:比較制度分析から見た日本経済の今
第22回:比較制度分析とは何か
第23回:戦後日本の経済システムの理論的把握(1):全体像、日本企業のあり方
第24回:戦後日本の経済システムの理論的把握(2):労働市場,金融市場
第25回:戦後日本の経済システムの理論的把握(3):サプライヤー関係、企業・政府関係
第26回:進化ゲーム理論と制度変化について
第27回:日本の経済システムはどこに向いつつあるうのか(1):歴史と経済システム改革の具体例
第28回:日本の経済システムはどこに向いつつあるのか(2):日本経済の現状
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・ 授業の進行に応じて、テキストの関連箇所を読んで授業に望み,予め質問を用意しておくこと。
・ manabaで,講義レジュメをダウンロードし,授業時間に印刷して持参すること(必ず印刷でなくてもよいが,授業中にメモを取れるような準備をしておくこと)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 50 | manaba上の小テストを50点に換算します. |
期末試験(到達度確認) | 50 | 小テストと50%ずつで平均し,平均60点以上をとれば合格とします. |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
・ manabaを通じて提出された意見について,授業中に紹介したうえでリプライします.
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
・ 授業のなかで,参加者から,さまざまな政策問題についての見解を求めます.
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
・ googleフォームを用いてゲームの実験を行います.
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
・ 経済産業研究所において,研究所のマネージメントを経験(2002年~2007年)
・ 経営者を対象とした民間の塾(不識塾)において,企業人を指導してきた経験(2007年~)
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
・ 経済産業研究所に勤めた経験をもとに(2002年~2007年),官庁における意思決定などについて,エピソードをちりばめて話します.
・ 不識塾において,企業人を指導してきた経験(2007年~)をもとに,さまざまな企業の意思決定についてもお話しする予定です.
テキスト・参考文献等
I. 授業の中で使用するテキスト
1) 経済学全体の展望について
瀧澤弘和 『現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論』 中公新書.(ISBN-10: 9784121025012)
2) 経済学の現代社会における適用例について
ジョン・マクミラン (2021),『新版 市場を創る』,瀧澤弘和・木村友二訳,慶應義塾大学出版会
(ISBN-10 : 4766427831)
II. 参考書 (比較制度分析関連)
瀧澤弘和・小澤太郎・塚原康博・中川雅之・前田章・山下一仁 (2016) 『経済政策論:日本と世界が直面する諸課題』 慶應義塾大学出版会.(ISBN-10: 4766422627)
その他特記事項
・ manabaからのリマインダーを受けとれるように,emailアドレスを登録しておいてください.