シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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世界経済論 | 2025 | 後期複数 | 月4,木2 | 経済学部 | 唐 成 | トウ セイ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-NE2-03XX
履修条件・関連科目等
ミクロ経済学、マクロ経済学、国際貿易論、国際金融論、開発経済学の並行履修を推奨します。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
本講義では、世界経済の歴史的変遷と現代における主要な経済課題について理解を深めることを目的とする。講義は以下の3つの主要テーマを軸に構成される。(1)グローバル経済の歴史と構造:世界経済の過去と現在を概観し、経済のグローバル化がどのように進展してきたかを学ぶ。第1次・第2次グローバル化の違いを整理し、経済の「アンバンドリング」理論を用いてグローバリゼーションの本質を考察する。また、「アジアの世紀」の再来やアジア諸国の経済発展の背景についても議論する。(2)地域経済と発展の課題:中国やASEAN諸国の経済成長、開発途上国における政府の役割、グローバルサウスの捉え方、環境問題や貧困・経済的不平等などの発展課題について考察する。さらに、「中所得国の罠」に焦点を当て、その理論的背景と東アジア諸国の成長モデルを分析する。(3)主要先進国の経済動向とグローバルな課題:ヨーロッパ経済の統合の進展やユーロ圏危機、イギリスのEU離脱、アメリカ経済の戦後から現代に至る変遷を取り上げ、先進国経済の構造的課題を検討する。また、資源・食料問題、グローバルな人の移動が経済に与える影響についても考える。
講義の終盤では、ゲスト講師による特別講義を予定しており、学生によるグループワーク・プレゼンテーションを通じて、学びを深める機会を設ける。
科目目的
①光と影の両面において、グローバリゼーションや近年新たなグローバル経済構造を正しく理解できる。
②国際経済学や国際金融に関する基礎を身に付け、世界経済の分析視点を理解する。
到達目標
東アジア経済を中心に、アメリカ、ヨーロッパ、グローバルサウスなど、世界経済の基本状況を理解し、グローバル問題の原因や背景、そして近年のグローバルリスクについての理解を一層深めることを到達目標とします。
授業計画と内容
1.ガイダンス
2.世界経済の過去・現在を知る(人口規模・GDP)
3.経済のグローバル化とは何か(定義・第1次グローバル化)
4.経済のグローバル化とは何か(第2次グローバル化)
5.アンバンドリングから見るグローバリゼーション(アンバンドリング)
6.なぜ「アジアの世紀」が再来(「東アジアの奇跡)
7.アジアの経済的成功の理由は何か(ファクトリー・アジア)
8.開発途上国経済における政府の役割(権威主義)
9. 中国経済の躍進(世界の工場)
10. ASEANの経済発展(地域統合)
11. グローバルサウスをどうとられるか(多様性)
12.途上国の環境問題とは何か(成長イデオロギー)
13.中所得国の罠とは何かⅠ(定義・理論)
14.中所得国の罠とは何かⅠ(要因・東アジアのキャッチアップ)
15.これまでの講義内容のまとめと理解度確認
16.ヨーロッパの経済(EU統合の展開)
17.ヨーロッパの経済(ユーロ圏危機)
18.イギリスのEU合意なき離脱(Take back control)
19.現代アメリカの経済(戦後からレーガノミックスへ)
20.現代アメリカの経済(ITバブルから世界金融危機後)
21.アメリカ経済をとりまく最近の諸問題(財政・連邦債務 ・貧富の拡大)
22.世界の資源・食料問題(食料安全保障)
23.貧困削減と経済的不平等(包摂的成長)
24.人の移動とグローバリゼーション(国際労働移動)
25.ゲスト講師による特別講義
26. グループワークプレゼンテーションⅠ
27.グループワークプレゼンテーションⅡ
28.総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・授業の資料はすべてManabaに掲載します。予習はこの資料を用いて行ってください。また、当日使用する章をプリントアウトするか、PCやタブレットで確認しながら各回の授業を聴講してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 40 | 前半の学習到達度を確認するために、小問題を実施します。この小問題の満点は30点です。 |
期末試験(到達度確認) | 40 | 後半の学習到達度を確認するために、小問題を実施します。この小問題の満点は30点です。 |
平常点 | 20 | 出席カードに記入された感想文や、数回の特別小課題の提出状況をもとに、合計20点を平常点として評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
毎回の講義資料を事前にmanaba上アップロードします。
参考文献:
・世界経済論[第2版]:変容するグローバリゼーション 単行本(ミネルヴァ書房 2023) 。
・入門 国際経済Q&A100 (中央経済社 2023)