シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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特別講義Ⅳ | 2025 | 後期 | 水4 | 経済学部 | 小高 由起子 | オダカ ユキコ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-OM2-044X
履修条件・関連科目等
履修条件は特にありません。日本社会における労働と社会保障に関わる問題について、特に障害との関係で関心を持って学びたいと考えている方を歓迎します。
関連科目は社会政策、社会福祉論、社会保障論、労使関係論などです。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確な把握の習得に関わる科目です。
<概要>
本講義では、障害者をめぐる社会政策としての労働政策と社会保障政策について理解し、障害者の労働と生活の現状と課題について検討します。社会政策は、資本主義社会において私たちが働き、生活していく中で直面するリスクに対応できるよう、政府が整備してきた諸政策です。病気や障害があっても働く人が増える中で、当事者が労働と生活の中で直面する課題を理解し、その課題に対して政策がどのように構築されているのかを考察します。
本講義は、主に3つのパートに分かれて構成されます。第1に、障害者の生活に関するパート、第2に、障害者の所得保障についてのパート、第3に、障害者の就労・雇用に関するパートです。
科目目的
1. 社会政策としての労働政策と社会保障政策について、障害者をめぐって構築されているシステムを理解する。
2. 現代日本経済の構造的特質と労働市場の特徴における障害者の労働と生活をめぐる課題を理解する。
到達目標
障害者の労働と生活の問題を社会・経済の構造との関係で把握すること。
授業計画と内容
1. オリエンテーション(講義目的や成績評価等について)
2. 障害者の生活(1)―障害者と貧困問題
3. 障害者の生活(2)―障害者のいる家族
4. 障害者の生活(3)―障害者の住まい
5. 障害の概念・定義・思想
6. 障害と社会政策―障害者に対する政策の体系的枠組
7. 所得保障(1)―障害年金制度のしくみ
8. 所得保障(2)―障害年金制度と生活保護制度
9. 就労・雇用(1)―障害者就労支援の展開:社会参加と自立をめぐって
10. 就労・雇用(2)―日本の障害者雇用政策の展開と特徴①法定雇用率制度、納付金制度等
11. 就労・雇用(3)―日本の障害者雇用政策の展開と特徴②障害者権利条約、障害者差別解消法等
12. 就労・雇用(4)―企業における障害者雇用の実態
13. 障害者の働き方から見る日本の労働者の働き方
14. 講義のまとめ
※進捗状況に応じて授業内容に変更を加えることがあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
日常的に障害者をはじめとした社会的弱者に関する問題や人々の働き方や生活に関する諸問題について関心をもつことを求めます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 授業の理解度を評価する試験を実施します。 |
平常点 | 30 | 毎回の授業においてリアクションペーパーの提出を求めます。講義で学んだ内容を確認するとともに、疑問点などを記入してもらいます。 |
成績評価の方法・基準(備考)
<期末試験>
講義内容の理解度および論述の内容と構成を評価します。評価する際のポイントは、講義内で言及した適切なキーワードを使用し、論理的なつながりを持った文章で問に対する答えを構成できているかどうかです。
<平常点>
提出物による平常点としてリアクションペーパーの提出状況を評価するとともに、期末試験同様、講義内容の理解度を評価します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
毎回の授業においてリアクションペーパーに取り組んでもらいます。その後の授業中に一部の受講者の質問・見解等を紹介し、教員がそれに対してリプライすることで、部分的に双方向の授業を行います。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書は使用せず、教員が毎回作成・配布するレジュメをもとに授業を進めます。参考文献として下記のものを提示しますが、授業中に適宜紹介します。
<参考文献>
山村りつ編(2019)『入門障害者政策』ミネルヴァ書房。
中島隆信(2018)『新版 障害者の経済学』東洋経済新報社。
小澤温編(2020)『よくわかる障害者福祉[第7版]』ミネルヴァ書房。
その他特記事項
ほかの学生に迷惑を与えるため、私語は禁止します。