シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2025 | 通年 | 月5 | 経済学部 | 柴田 英樹 | シバタ ヒデキ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
※選考方法は経済学部事務室が公開する情報をご確認ください。
<履修条件>日本経済史ないし西洋経済史を履修していることが望ましいです。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
テーマ:資本主義社会の本質とそのゆくえ
近代資本主義社会は貨幣を主要な富とする社会ですが、それ以前には貨幣よりもずっと具体的な土地・家畜・奴隷など貨幣とは異なるものを富の主要形態とする社会が存在しました。貨幣は分業と流通があって初めて意味をもつ抽象的な富であり、貨幣を富の主要形態とする社会の成立には労働や生産手段が商品として登場するための社会変化(市民革命など)が不可欠でした。
このゼミでは、近代資本主義システムを歴史的観点から把握できるようになるため、経済史の基本事項を学びつつ、マルクスの資本主義に関する理論を、関連する哲学文献なども読みながら、勉強していきたいと思います。
最近の脳科学の研究成果を概観し、哲学文献を読むための準備とします。
古典古代の哲学者が提起した哲学の根本問題がヘーゲルによって一応の解決を見る過程、そしてその後ヘーゲルの思想が実存主義やマルクスによって批判される過程を勉強します。非常にコンパクトですが、西洋哲学史を概観できると思います。
また、貨幣という抽象的な富を富の基本とする資本主義の発展過程を考察するにあたり、流通や分業体制の構築を重視した経済史文献を中心に講読していきたいと思います。
科目目的
日本経済史、西洋経済史などの専門科目で学んだ内容を深め、卒論を作成する。
到達目標
近代経済社会の成立過程を批判的に検討し,人間社会の成り立ちについて考えていきます。近代経済社会の成立過程について、自分独自の観点から一貫した説明ができるようになってもらうことが目標です。
授業計画と内容
演習1
第1回 オリエンテーション
第2回 パソコン演習
第3回 神経科学における心1(脳の情報処理システム)
第4回 神経科学における心2(情動の表現と操作)
第5回 神経科学における心3(海馬と扁桃体)
第6回 神経科学における心4(進化心理学)
第7回 神経科学における心5(不安の感情の起源)
第8回 神経科学における心6(不安の感情のリスク)
第9回 修辞学における心1(修辞学とは何か)
第10回 修辞学における心2(アリストテレスの『修辞学』)
第11回 修辞学における心3(ロゴスによる説得立証に役立つ固有トポス)
第12回 修辞学における心4(エートスまたはパトスによる説得立証に役立つ固有トポス)
第13回 修辞学における心5(さまざまな共通トポス)
第14回 修辞学における心6(レートリケーとディアレクティケー)
第15回 ヘーゲル前夜
第16回 ヘーゲルの弁証法
第17回 ヘーゲル批判
第18回 マルクスの価値形態論
第19回 マルクスの階級論
第20回 イギリス産業革命
第21回 ドイツ産業革命
第22回 金融資本の成立
第23回 社会民主党史
第24回 ユンカー
第25回 イギリスの覇権
第26回 ワイマール共和国の誕生
第27回 相対的安定期から世界経済へ
第28回 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
演習は参加者の皆さんの積極的な協力によって成立する授業です。
指定されたテキストや資料を読み込み、さらに関連文献を自分で探して、発表や討論を有意義なものにするように不断の努力に期待しています。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 輪読する本に対応したレポートを出題していただきます。 |
平常点 | 50 | ゼミでの報告や発言も評価の対象にします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
レポート・ゼミ論等はゼミでの発表の機会に相互に評価し合うほか、教員がコメントを付して返却する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
演習1では以下をテキストして使用します。
櫻井武(2018)『「こころ」はいかにして生まれるのか』講談社(ブルーバックス)
アンデシュ・ハンセン(2022)『ストレス脳』久山葉子訳、新潮社(新潮新書)
浅野楢英(2018)『論証のレトリック』筑摩書房(筑摩学芸文庫)
参考文献
アリストテレス(1992)『弁論術』戸塚七郎訳、岩波書店(岩波文庫)