シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2025 | 通年 | 月5 | 経済学部 | 唐 成 | トウ セイ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
※選考方法は経済学部事務室が公開する情報をご確認ください。
<履修条件>
(1) 日中経済に関わる諸課題またはインバウンドによる地域活性化の課題に興味があること。
(2) 春休みもしくは夏休みの期間中に中国フィールド調査に参加すること。
(3) ゼミ活動(合宿、学内外のプレゼン大会、ディベート交流戦)に参加すること。
(4) 4年次に演習論文(卒業論文)を書くこと。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
テーマ:(1)日中経済の比較研究 (2) インバウンドによる地方創生の研究
(1)日中経済の比較研究
中国は世界経済に大きな影響力を持ちながらも、人口動態の変化、債務問題、内需の低迷など多くの課題に直面しています。本ゼミでは「日本経済は中国経済の鏡」と捉え、日本の経験から中国が学ぶべき点を探る比較研究を進めます。特に、バブル崩壊後の経済再生や少子高齢化問題における日本の対応は、今後人口減少が進む中国にとって重要な示唆を与えると考えられます。
一方、中国はイノベーションを原動力にデジタル経済が急速に発展し、BtoC型のオンライン決済を中心に大規模なビジネスエコシステムを形成しています。この進展は日本にも有益な学びをもたらす可能性があります。
ゼミでは、両国の経済成長モデル、金融システム、イノベーションの推進力などを比較し、特に中国のデジタル経済が日本に与える影響や、日本が中国から学べる点に注目します。具体的には、①中国のデジタル経済が日本に与える刺激、②伝統産業とデジタル技術の融合による新ビジネスモデルの創出、③フィンテック発展と規制の比較、④イノベーション促進政策の違いを分析し、日本経済活性化に向けた提言を行います。
(2)インバウンドによる地方創生の研究
本ゼミでは、インバウンド観光が地域経済に与える影響について、特に中国人観光客の行動特性に着目し、地域活性化のための新たな観光モデルを構築することを目指します。
具体的には、観光庁が公開したインバウンドに対するアンケートのマイクロデータを活用し、統計分析を行うことで、中国人観光客の訪日目的や消費行動を詳細に分析します。また、ケーススタディを通じて、インバウンド需要拡大に成功した地域の事例を分析し、その成功要因を明らかにします。
さらに、脱炭素化が世界的な課題となる中、観光産業においても持続可能性が求められています。本ゼミでは、脱炭素とインバウンドを融合させた新たな観光モデルを提案し、地域の魅力を高めながら、持続可能な観光を実現するための政策提言を行います。
科目目的
経済学の理論を応用し、(1)中国経済と日本経済を比較分析することで、中国経済の現状と課題を深く理解し、課題解決に向けた適切な経済政策の適用を試みる能力を養います。(2)インバウンドによる地方創生の研究および実態調査を通じ、産学官連携を活用して、実現可能な観光振興モデルを提案する政策提言力を養います。
自分たちの興味に焦点を当てたテーマ研究を通じて、問題の発見、仮説の検証、問題解決の提案など、社会人として必要とされるスキルを磨く機会を提供します。
到達目標
上記の目的を達成するため、具体的な到達目標を以下に設定します:
(演習1) 自分で研究テーマを見つける能力を育成し、輪読や講義などを通じて学習を深めます。
(演習2) チームワークを活かして質の高いプレゼンテーション資料を作成し、他大学ゼミとの交流戦を通じてディベート力を向上させます。
(演習3) 自身の興味を持つテーマに関する卒業論文を論理的に構築し、完成させるスキルを磨きます
授業計画と内容
【演習1】(2年次)
研究に関する文献を講読・輪読し、レジュメの作成、発表、討論を行います。
(1)の日中経済比較研究のみ掲載
第 1 回 イントロダクション ゼミ紹介・学習の進め方
第 2 回 戦後日本経済の歩みⅠ(戦後復興・高度成長・成長減速)
第 3 回 戦後日本経済の歩みⅡ(バブル経済下の経済)
第 4 回 戦後日本経済の歩みⅢ(バブル経済崩壊下の経済)
第 5 回 戦後日本経済の歩みⅣ(失われた20年とアベノミクス)
第 6 回 日本の人口動態と国際比較
第 7 回 なぜ日本の貯蓄率は高かったのか
第 8 回 日本の年金制度とその問題点
第 9 回 中国経済の歩みⅠ(計画経済期)
第10回 中国経済の歩みⅡ(改革開放後)
第11回 なぜ中国が高度成長できたのか
第12回 中国の人口動態とその要因
第13回 なぜ中国の貯蓄率は高いのか
第14回 前期まとめ及びグループ論文作成のガイダンス
第15回 グループ論文研究計画書の討論(1)
第16回 論文研究計画書の討論(2)
第17回 中国型社会保障の実態と問題点
第18回 債務問題に見る中国経済の課題
第19回 中国のIT企業(BAT)とは何か
第20回 米中対立の中の半導体国産化
第21回 国際競争力増す中国のEV
第22回 中国経済は「日本化」するか
第23回 上級生と合同ゼミ(ディベートのテーマ)
第24回 上級生と合同ゼミ(ディベートの班分け)
第25回 上級生と合同ゼミ(ディベートの予行演習)
第26回 グループ研究論文の作成(テーマ)
第27回 グループ研究論文の作成(章立てと分担)
第28回 グループ研究論文の作成(執筆内容の検討)
・輪読では、中国経済および日本経済などの分野でのテキストや関連論文を使用予定です。
・春休み期間中に、グループ論文発表に関する合宿を実施します。
【演習2】(3年次) (1)の日中経済比較研究のみ掲載
グループ研究論文を完成し、研究成果を学内外の学術交流イベントに参加し、他大学とのディベート交流戦も主力メンバーとして参加します。
第1回 ゼミ活動の目標設定
第2回 日中比較Ⅰ(住宅バブル)
第3回 日中比較Ⅱ(少子高齢化)
第4回 日中比較Ⅲ(年金問題)
第5回 日中比較Ⅳ(イノベーション)
第6回 グループ研究計画作成(テーマの選定と課題)
第7回 グループ研究計画作成(概要・枠組み)
第8回 グループ研究計画発表(プレゼンテーション・コメント)
第9回 グループ研究論文作成(問題意識・研究目的など)
第10回 グループ研究論文作成(文献・仮説・データ)
第11回 グループ研究論文作成(分析手法)
第12回 グループ研究論文作成(はじめに及び先行研究についての執筆)
第13 回 中国フィールド調査の準備(調査目的の設定)
第14 回 中国フィールド調査の準備(調査の具体案)
・夏季期間中に中国フィールド調査を実施します
第15 回 ゼミ活動をふりかえると目標の設定
第16 回 グループ研究論文中間報告
第17 回 グループ研究論文作成(分析およびその執筆)
第18 回 グループ研究論文作成(結果まとめと全体整合性の検討)
第19 回 プレゼン大会に向けたPPT資料の作成
第20 回 プレゼン大会に向けたPPT資料の検討
第21回 プレゼンの班分け
第22回 プレゼンの予行演習
第23回 合同ゼミによるディベートの準備(テーマ)
第24回 合同ゼミによるディベートの準備(班分け)
第25回 合同ゼミによるディベートの準備(予行演習)
第26回 ディベート交流戦をふりかえる
第27回 社会人による就活の話し
第28回 ゼミ活動まとめ
・春合宿では、演習3で取り組む研究課題について、各自の報告とディスカッションします。
【演習3】(4年次)
各ゼミ生が演習論文(卒論)の作成スケジュールにしたがって、論文指導を中心とする演習を行います。
<前期>
月に1回程度顔合わせして、就職活動の情報交換などを行います。
<後期>
演習論文の執筆(報告と討論)
第1回 演習論文の書き方について(報告順番の確定)
第2回 報告1(進捗状況の報告とディスカッション)
第3回 報告2(進捗状況の報告とディスカッション)
第4回 報告3(進捗状況の報告とディスカッション
第5回 報告4(進捗状況の報告とディスカッション
第6回 報告5(ほぼ完成論文の報告とディスカッション)
第7回 報告6(ほぼ完成論文の報告とディスカッション)
第8回 報告7(ほぼ完成論文の報告とディスカッション)
第9回 合同ゼミによるディベートの準備(テーマ)
第10回 合同ゼミによるディベートの準備(班分け)
第11回 合同ゼミによるディベートの準備(予行演習)
第12回 報告8(完成論文の報告とディスカッション)
第13回 報告9(完成論文の報告とディスカッション)
第14回 振り返り
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
ゼミのために予習は欠かせません。必要に応じて、サブゼミを開いて、研究を究めていきます。また、懇親会や合宿などについて、ゼミ生の皆さんと相談して決めていきます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 提出された担当レジュメの内容や課題提出の内容などによって評価します。 |
平常点 | 70 | ゼミ討論において、どれだけ発言や質問をしているか、ゼミ活動にどのような貢献があったかなどを総合的に評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストはゼミ開始時にゼミ生と相談の上決定します。
その他特記事項
(1)アクティブラーニング 〔 〕
(2)ICTを活用した双方向型授業実施 〔 〕
(3)実務経験 〔 〕
(4)課題へのフィードバック方法
(5)その他
参考URL
講義時に紹介する。