シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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マクロ経済学1 | 2024 | 春学期 | 火3 | 法学部 | 安藤 浩一 | アンドウ コウイチ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-EO2-001L
履修条件・関連科目等
ミクロ経済学1相当の内容を履修ないし理解していることが望ましいです(もっとも、マクロから学ぶ・マクロだけ学ぶのも、無理ではありません)。連立一次方程式・式とグラフ(中学数学)、直線を表す式・等比数列の和(数ⅡB)について復習しておくこと。関数を一般に y=f(x) 等と書くので、慣れておくこと。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、全く初めてマクロ経済学を学ぶ受講者を対象として、マクロ経済学の基本に関する伝統的な議論を紹介します。国全体の経済の動きを大掴みにし、景気や経済成長について把握し、その変動の諸要因について説明します。特に短期の経済変動に関する理論は、一時は「国民所得論」とも呼ばれ、概ねコンセンサスがあったものであり、現在もその意義は変わっていません。他方、長期的な経済の均衡に関する理論も重要性を増してきました。そこで、不完全雇用(非自発的失業)、貨幣・資産市場の役割など、マクロ経済学を考える上で特に重要な諸事項について解説しつつ、考えるタイムスパンに応じたマクロ経済理論を解き明かしていくことにします。
マクロ経済学は今も論争が尽きない分野ですが、コンセンサスも多くありますので、論争点を紹介しつつも、現実の経済を理解する上で重要と考えられる、標準的な分析ツールについて紹介していきます。いくつかの論理に基づいた諸モデルについて整理し、コンパクトな解説を与えます。
科目目的
マクロ経済学は、現実の社会を理解したり、経済問題を解決する際の判断支援に使う知識なので、社会常識の一つとしてしっかり身につけましょう。新聞を賑わす話題と密接に関わっていますし、就職活動等で直接役立つ知識でもあります。
到達目標
IS-LMモデルを理解し使えるようになるレベルにまで達することを原則とします。それが難しい場合にも、GDP等のマクロ経済の諸変数の意味とその動きの理解・財政金融政策による総需要管理や物価安定については理解し、議論出来るようになること(有効需要論と45度線分析の理解までは必須とします)。総需要総供給モデルやフィリップスカーブによるトレードオフ等についても理解を深めることが望ましいところです。
授業計画と内容
<国全体の経済状態を把握する>
第1回 マクロ経済、マクロ経済学とは
第2回 景気と経済動向、国内総生産(GDP)と失業等
第3回 付加価値、貯蓄投資バランス(IS式)と実物・金融資産
<GDPの決定(短期の理論)>
第4回 有効需要、ケインズ型消費関数
第5回 GDPの決定理論(45度線分析)
第6回 政府による総需要管理、ISバランス式
<貨幣と資産(超短期の理論)>
第7回 貨幣供給と信用創造
第8回 資産市場と資産価格
第9回 貨幣需要関数と利子率の決定(流動性選好とLM式)
<GDPと利子率の同時決定(短期の理論)>
第10回 設備投資関数
第11回 IS-LM分析
第12回 財政・金融政策の効果
<物価とインフレ(短期・長期の理論)>
第13回 総需要・総供給と物価の決定、労働市場
第14回 インフレーション、フィリップスカーブ
・講義は以上の項目立てで進める予定です。あくまで予定ですので、理解度や進行状況により変更する可能性があります。
・教科書で足りないところは補うことがあり、当面は不要と思うところはスキップし、講義で扱わなくても読んで理解出来そうな細か目のところは読んで自習する範囲を指定するというやり方です。教科書の指定箇所は、復習及び自習の為に必ず読むこと。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・まず最初に、社会科に加えて数学に近い要素がある学問だということをイメージしてください。
・学習方法は、初回の授業で詳しく説明しますが、常識的なことです。講義を聴いて理解→復習→出来れば問題を解くということで、覚えたり使えるようになったりするはずです。疑問はすぐに復習や質問等で解消して、後に残さないようにしましょう。
・講義の復習を行い、教科書の指定箇所を読むこと。講義は教科書がカバーする内容のうち不要部分をスキップし、不足部分を補うので、注意してください(講義は骨子や要点を解説するもの、特に説明を要するものを取り上げるもの、補足を行うものから構成されています。)。
・不可抗力その他の理由で、何度か出席できない場合は、まずは出席した受講者仲間に話を聞く、教科書や参考書を読んで理解を試みる等の自助努力を行ってください。ある程度のフォローはします。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 集合型の期末試験を行い、100%で相対評価することを原則とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
・集合型の期末試験を行い、一部にはレポート課題の提出を求め、100%で相対評価することを原則とします。詳細は講義中に説明しますが、①試験成績の上位3/4程度の一定数についてはレポート提出は免除し、②残りの人は要レポート提出とし、その内容も参考にして評価します(やむを得ず追試も受けられない場合は、後者と同様とします)。要レポート提出者であるが提出がない場合には、単位の付与無しとします。
・単位付与の閾値については、manabaでの質疑等による、授業への参加・理解の程度も参考にします。
・試験では経済学の基本的な概念や論理を理解出来ているかどうかを中心に確認します。理解した上で、ある程度それらを使って具体的な問題について議論したり、解決したり出来ることが望ましいので、そうした能力を問う可能性もあります。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
座学で学んだ事柄を踏まえて、いくつかの具体的テーマについて各自が考える機会を作り、他の講義参加者とも意見や情報をシェア出来る学びを目指します。
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書
中谷巌・下井直毅・塚田裕明「入門マクロ経済学 第6版」(日本評論社、2021年)
根岸毅宏・中泉真樹「アクティブ・ラーニングで学ぶ 日本の経済」(東洋経済新報社、2021年)
参考書
河原伸哉・慶田昌之「マクロ経済学15講」(新世社、2023年)
宮川努・外木暁幸・滝澤美帆「グラフィックマクロ経済学(第3版)」(新世社、2023年)
・講義では、教科書がカバーしている内容を意識しながら、よりよいと思われる項目立てで進め、足りないことは補足していきます。
・教科書は必ず入手して、講義と並行して指定箇所を読むこと。
・参考書は、特に入手しなくてもよいですが、教科書では理解しにくい時や、不足を感じた際に参照することを勧めます。
その他特記事項
・講義のやり方等については初回に詳しく説明するので、必ず出席すること。
・当然のことですが、原則として講義には毎回出席してください。特にマクロ経済学1の場合には、コマの間の論理的関係が強く、理解を一つずつ積み上げていく必要があり、途中が抜けると後ろの方が全然わからなくなります。順に学べば易しいです。
・連絡事項や資料配付等は、講義中に行う以外は原則としてmanabaを使い提供しますので、注意してください。(更新情報等を受信する設定にしておくことが望ましい)。
■授業の工夫■この科目は時折、皆さんの理解度をmanabaのアンケートやクイズ形式の問題等で確認しつつ進めています。なるべくスマホ等で積極的に、出来るだけリアルタイムで反応して下さい。