シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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法曹演習 | 2024 | 秋学期複数隔週開講 | 土3,土4 | 法学部 | 菊池 則明 | キクチ ノリアキ | 1年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-LA1-003S
履修条件・関連科目等
将来、法曹、研究者等をめざす人はもちろん、刑事裁判に興味・関心を持つ人なら大歓迎です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
裁判員制度を、刑事裁判への国民参加という切り口で、種々に角度から総合的に学ぶことで、法律についての基本的な考え方を身に付け、法的思考能力を養います。
講義が中心になりますが、その際にはいわゆるソクラテスメソッド(一人ひとりに指して意見を聞いて考える力をつける)を取り入れたり、ディベート(意見のプレゼン)を行ったり、判例を予め読んでもらって検討してもらったりするなどの手法を用います。専門的な科目を本格的に学ぶための基礎的な視点を養い、法律の面白さを感じてもらえれば幸いです。
科目目的
裁判員制度をとりあげて研究・検討していくなかで、学生が憲法、刑法、刑事訴訟法を含む刑事法の基本的な考え方を身に付け、専門科目を深く理解できる基礎を養うことを目標とします。
到達目標
憲法、刑法、刑事訴訟法、刑事政策等の専門科目を学ぶ際に必要な基本的な考え方を身に付け、法的思考能力や応用力の基礎を養う。
授業計画と内容
裁判官としての経験や米国での研究経験をもとに①~⑧、⑪~⑭を実施するとともに、ゲストスピーカーとして、海上保安大学校准教授の氏家仁氏(⑨)、ドイツ留学の経験のある福岡高裁宮崎支部の荒木精一氏(⑩)を迎えて、以下の合計14回で授業を実施する。
①裁判を受ける権利、②刑事裁判に関する基礎知識、③裁判員制度に関する基礎知識、④選任手続の概要、⑤審理・評議の概要、⑥我が国の旧陪審、⑦アメリカの大陪審と我が国の検察審査会 ⑧アメリカの小陪審 ⑨韓国の国民参与制度、⑩ドイツの参審、⑪裁判員裁判制度の賛否(ディベートないしプレゼン)、⑫裁判員裁判の合憲性、⑬裁判員裁判の審理・評議の在り方、⑭裁判員裁判の現状と課題
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業前に、最寄りの裁判所で刑事裁判を傍聴しておくのが望ましい。「裁判員制度上記ナビゲーション」及び検察審査会のパンフレット(いずれも裁判所のサイトでダウンロードできる。)を入手し、熟読しておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 出席率と出席した際の発言内容等を総合的に評価する |
成績評価の方法・基準(備考)
授業における態度や発言、質問などを総合評価する。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
現役の裁判官であり、ゲストスピーカーとしても裁判官を予定している。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
裁判員制度が実際にどう動いているかを裁判官としての経験を活かして解説する。
テキスト・参考文献等
テキストとして、最高裁判所「裁判員制度ナビゲーション」(上記のとおり、裁判所で無料頒布されているので最寄りの裁判所に赴き入手してください。)を用い、その他、演習内容により、適宜、レジュメ等を配布します。また、六法全書(小型でも可)も毎回持参してください。興味があり学習意欲がある者は憲法、刑法、刑事訴訟法の基本書を授業内容に照らして適宜参照することを勧めます。
その他特記事項
令和3年9月 新潟家庭裁判所判事(所長)
自己紹介
現在、新潟家裁で所長をしています。これまで裁判官として主に刑事事件や少年事件を担当してきました。また、検察官への出向,ロースクール派遣教官、米国出張、刑法学会等への参加経験もあり、これらを生かして、「裁判員制度」について,皆さんと楽しく勉強していきたいと考えています。また、個別テーマによりその分野を専門とするゲストスピーカーも予定しています。本ゼミを通して、これから本格的に,憲法、刑法、刑事訴訟法等の専門科目を学ぶ上で必要となる基本的な考え方や面白みに触れてください。「裁判官は堅苦しい」というイメージを持たれがちですが,実際にはそんなことはないということも実感できると思います。知的好奇心のある皆さんの受講を期待しています。
■授業の工夫■この科目は講義を中心に行いますが、受講生の皆さんに、随時、質問を重ねたり、ディベート(プレゼン)をしてもらったり、判例を予め読んできてもらった上で、質疑応答や解説を試みたりして、法律の理解を深めていく等の手法を取り入れる予定です。