シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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文学A2 | 2024 | 秋学期 | 月1 | 法学部 | 真田 健司 | サナダ ケンジ | 1・2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-HO1-014L
履修条件・関連科目等
ドイツ語文学に関心をもち、指定された作品テクスト(すべて日本語訳)をすべて読み通す意思を持ちあわせていることを履修条件とする。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
およそ千年の歴史を誇り、ドイツのほかオーストリアおよびスイスにも広がりをもつドイツ語文学。しかし、ほんの一握りの作家を別とすれば、皆さんにはあまり馴染みがないかもしれません。これだけ翻訳文化が咲き誇っている日本ですが、古典でありながら読みやすく、入手が容易でかつ安価なものとなると、意外に選択肢が限られているのです。
まずは最初の1冊を実際に手に取り、ページを繰ってみましょう。以下にひとまず挙げたテクストは、特定のテーマに従って選んだものではありません。しかし、たとえば多くの文学作品が一種の「裁判」の構造をもっていること、それどころか実際に裁判の場面が作品内で重要な役割を果たしていることなどに着目すると、虚構と現実をつなぐ意外な通路が見えてくるのではないでしょうか。
「講義」と銘打たれているとはいえ、一方通行のおしゃべりだけではつまらないので、皆さんとともにできるだけ多様な「読み」を持ち寄り、交換・共有したいと思います。また映像資料などがある場合には、なるべく鑑賞の機会を設けるつもりです。週に一度、時間と空間を超えて異世界への小旅行に出かけてみましょう。
科目目的
文学テクストの分析・解釈を通じて、ことばに対する感受性を豊かにするとともに、未知の自己を発見しつつ、社会および歴史と個人の関わりについての認識を深める。
到達目標
1)今日なおアクチュアルなドイツ語文学作品をみずから味読し、抽象的な文学史的知識を得るだけでなく、独自の真正な「出会い」を体験する。
2)異なる時代、異なる国の社会と文化、人間と思想に触れつつ、そこに表れる多様性と普遍性を読み取る。
3)言語コミュニケーション装置としての文学テクストの構造と機能について理解を深め、個々の作品について自分なりの解釈を構築する。
授業計画と内容
1. 文学におけるコミュニケーションと翻訳
2. ホフマン(1):ホフマンとドイツ・ロマン派
3. ホフマン(2):『砂男』
4. ホフマン(3):『クレスペル顧問官』
5. ホフマン(4):『大晦日の夜の冒険』
6. ブレヒト『アンティゴネ』(1): ブレヒトと叙事演劇
7. ブレヒト『アンティゴネ』(2): 序景〜「人間の恐ろしさを歌う第一のコロス」
8. ブレヒト『アンティゴネ』(3): アンティゴネの連行〜「アンティゴネの死出の道行を見送る第四のコロス」
9. ブレヒト『アンティゴネ』(4): テイレシアスの予言〜「コロスの退場歌」
10. シーラッハ『犯罪』(1):『序』『フェーナー氏』『タナタ氏の茶盌』
11. シーラッハ『犯罪』(2):『チェロ』『ハリネズミ』『幸運』
12. シーラッハ『犯罪』(3):『サマータイム』『正当防衛』『緑』
13. シーラッハ『犯罪』(4):『棘』『愛情』『エチオピアの男』
14. 総括
(変更の可能性あり)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | 学期中に扱った作品テクストを対象に出題し、内容理解の正確さ、ならびに解釈の独創性と説得力を評価します。 |
レポート | 20 | 毎回の講義後に課題を出し、作品読解への主体的取り組みを評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テクスト】(出版社における在庫不足などの理由により変更の可能性あり)
1)エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマン『砂男/クレスペル顧問官』 大島かおり訳、光文社古典新訳文庫、2007年 (ISBN: 978-4334752835)
2)ベルトルト・ブレヒト『アンティゴネ』 谷川道子訳、光文社古典新訳文庫、2015年 (ISBN: 978-4334753153)
3)フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』 酒寄進一訳、創元推理文庫、2015年 (ISBN: 978-4488186029)
【参考文献】
授業中に指示します。
その他特記事項
テクストはかならず自前のものを用意すること。図書館等から借り出したものを使用することは認めません。また、学期末試験のさいにも参照することになるので、直接の書き込みは避けてください。
毎回かならず該当作品をしっかり読み込むこと。作品を読まずに講義に出席しても、評価にはつながりません。