シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
マーケティング・リサーチ | 2025 | 春学期複数 | 火2,金4 | 商学部 | 中野 暁 | ナカノ サトシ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-MK2-13XL
履修条件・関連科目等
事前登録科目です。
履修希望者が教室の定員を超過した場合には、抽選にて履修者が決まります。日程等の詳細を授業時間割で確認してください。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、マーケティング・リサーチを実践するために必要な考え方やデータ分析の方法について学んでいきます。講義は大きく5つの柱によって構成されています。はじめにマーケティング・リサーチの狙いと種類について全体像を学んだうえで、(1) 定量調査の基礎として、調査設計や適切にデータを集める方法について学びます。次に(2) 定性調査の基礎として、調査方法の理解や実践的な演習を行います。その後、データ分析として、(3) データの基本的な扱い方、(4) 仮説検定や回帰分析等の統計分析、(5) 多変量解析(因子分析、クラスター分析)を習得します。これらは、統計ソフトウェアRを使って実践的な演習を行います。また、データ操作の理解を助けるために部分的にMicrosoft Excelも使用します。
いずれの柱も、単にその方法を理解するだけでなく、実際のビジネスおよび研究上のマーケティング課題に対して適用できることを意識して、知識と実践方法の定着を図ります。
科目目的
本科目は商学部カリキュラム上の分野別専門科目 商業・貿易系 / 国際マーケティング系に位置づけられています。
現代のマーケティングでは、マーケッターの勘や経験による判断に比べ、様々なデータ(量的・質的)を用いた科学的な意思決定が重視されるようになっています。加えて、利用できるデータの種類も広がり、各種データを上手く扱い、分析・活用していくことの重要性も増しています。
こうした中で、本講義では、定量的および定性的なマーケティング・リサーチ手法を学び、適切に調査を設計し、実務や研究に活用できるデータを集める方法を理解することを目指します。また、基礎的なデータ処理や統計分析を学び、データを用いてマーケティング課題を解決するスキルを身につけることを目的とします。
到達目標
1. マーケティング・リサーチにおける定量調査と定性調査について、それぞれの狙いと方法を理解できるようにします。
2. 調査設計やデータの品質管理等の適切にデータを集める方法を身につけます。
3. 集計や可視化、相関分析といった、データ分析の基本的な処理を理解し、実行できるようにします。
4. 基礎的な統計分析(仮説検定、分散分析、回帰分析)の考え方を理解し、研究課題に適用できるようにします。
5. 基礎的な多変量解析(因子分析、クラスタ分析)を理解し、実際のビジネスでのマーケティング課題に応用できるようにします。
授業計画と内容
導入
1. イントロダクション
2. マーケティング・リサーチの種類 (定量調査と定性調査)と調査設計
(1) 定量調査の基礎
3. 標本抽出と誤差
4. 調査票の設計と留意点
5. 収集したデータの事後処理、不良回答の扱い
(2) 定性調査の基礎
6. 定性調査の種類と活用方法
7. 定性調査の設計と演習
(3) データの基礎分析
8. 量的・質的変数と記述統計
9. 集計・可視化
10. 【演習】記述統計・集計・可視化
11. 相関分析
12. 【演習】相関分析
(4) 統計分析
13. 統計的仮説検定の考え方
14. t検定
15.【演習】t検定
16. 分散分析
17. 【演習】分散分析
18. 回帰分析1. 単回帰
19. 回帰分析2. 重回帰
20. 【演習】回帰分析
21. 回帰分析3. 実証研究への応用
22. 回帰分析4. 発展 (ロジスティック回帰、離散選択モデル)
(5) 多変量解析
23. 因子分析
24. 【演習】因子分析
25. クラスター分析
26. 【演習】クラスター分析
まとめ
27. デジタル化時代のマーケティング・リサーチと実ビジネスでの活用
28. 総まとめ (マーケティング・リサーチ全体)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 50 | 講義全体の理解度を問う、選択式または記述式の試験を行います。 ・定量調査と定性調査の役割と狙いに応じた方法を説明できるか。 ・定量調査を実施するにあたって必要な調査設計の用語の意味や実施時の留意点について理解できているか。 ・データの分析の方法について内容が理解できているか。 |
レポート | 30 | ・Rを使って、正しくデータを分析する方法が身についているか ・データを分析した結果を正しく解釈することができているか |
平常点 | 20 | 授業中に小テストを実施し、理解度を確認する。または、リアクション・ペーパーの提出を課し、参加態度・貢献を確認する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
国内のマーケティング・リサーチ企業で8年の実務経験があります。メーカー、小売、広告・メディア等の顧客のマーケティング・リサーチ業務遂行支援やデジタル・マーケティング実践、データサイエンス技術を用いた課題解決、共創型の定性ワークショップ等の業務に携わってきました。また、行動ログデータを用いたマーケティング・リサーチシステムの新規事業開発、データ品質管理(消費者パネルデータの調査設計、バイアス検証、補正技術開発)やマーケティング・リサーチ手法に関わる研究開発業務の経験があります。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
マーケティング・リサーチ手法をビジネス応用につなげる方法について、事例を交えて解説します。
テキスト・参考文献等
教員が作成したオリジナルのレジュメによって授業を進めます。テキストは使いません。ただし、以下を本講義と関係する参考書として推薦します。
◯ マーケティング・リサーチ全般について
・マーケティング・リサーチ入門, 星野崇宏, 上田雅夫, 有斐閣アルマ.
・マーケティング・リサーチに従事する人のための調査法・分析法 ~定量調査・実験調査・定性調査の調査法と基礎的分析法~, 島崎哲彦 (編著), 一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会 (監修), 学文社.
◯ 調査の設計や品質について
・ウェブ調査の科学: 調査計画から分析まで, R. Tourangeau, F. G. Conrad, M. P. Couper (著), 大隅昇ら (翻訳), 朝倉書店.
・ビット・バイ・ビット ~デジタル社会調査入門~, M. J. Salganik (著), 瀧川裕貴ら (翻訳), 有斐閣
◯ データ分析の副読本として
・はじめてのRStudio: エラーメッセージなんかこわくない, 浅野正彦, 中村公亮, オーム社.
・Rによる多変量解析入門 データ分析の実践と理論, 川端一光, 岩間徳兼, 鈴木雅之, オーム社.
・Rによるマーケティング・データ分析, ウィラワン・ドニ・ダハナ, 勝又壮太郎, 新世社.
その他特記事項
講義の進捗状況によって、授業計画を変更することがあります。その際には、授業内でその旨を伝えます。
大学のパソコンにインストールされているR、および、Microsoft Excelを使用します。個人用のパソコンにもRのソフトウェアをインストールして課題に取り組むことも推奨されますが、その方法の支援は本講義の範囲外とします。