シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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政治思想史A1 | 2024 | 春学期 | 火2 | 法学部 | 杉山 亮 | スギヤマ リョウ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-PS3-014L
履修条件・関連科目等
政治思想史AⅡ、政治学ⅠⅡ、政治史ABのほかに、文学・哲学関係の科目をあわせて履修することが望ましい
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
細菌は顕微鏡、ウィルスは電子顕微鏡を使わなければ見えない。空を進む星は天体望遠鏡を使わなければ輪郭すら捉えられない。いずれも普段目にしているにもかかわらず、小さすぎて見えなかったり、巨大であっても遠すぎて見えなかったりする。そうした肉眼では見えないものを見るために人類は多くの器具を開発してきた。人類の歴史とは、目に入っているけれど見えないものをどうにかして認識し、観察するための試行錯誤の積み重ねともいえる。
政治にも同じことが言える。普段何気なく目にしているだけでは観察できないし、まして理解することも出来ない。しかし、政治は常に存在するし、それを軽視したり無視したりするものに容赦なく牙を剥く。人類は顕微鏡や天体望遠鏡と同様、この政治という現象を観察し、それについて考えるためには特殊な概念や用語を考え出してきた。本講義では政治、特に日本におけるそれを考える上で必要な概念を紹介する。
科目目的
日本の思想と他の思想との相違点を把握するとともに、日本社会を多元的な文明の中でとらえる比較文明論的な視座を獲得する。
到達目標
古代から現代にかけての政治思想の展開過程を理解する。とりわけ現代でも日常的に使用する語句に込められた政治思想史的な含意を把握することを目標とする。
授業計画と内容
以下の語句の成り立ちと内容の変遷をテーマにし、複数回にわたって講義する。
第1回 日本 ”普遍”と”固有”の観点から
第2回 日本 日本人論の地平
第3回 イエ ”競争する人間”と”服従する人間”
第4回 イエ ホモ・イエノミクスの誕生
第5回 イエ ホモ・イエノミクスの逆襲
第6回 武士 戦乱という名の極楽
第7回 武士 泰平という名の地獄
第8回 武士 青史と稗史の狭間で
第9回 鎖国 我ら失いし世界
第10回 鎖国 この時代を“鎖国”と呼ぶ
第11回 鎖国 道理の表裏
第12回 権利/自由 伝統の観点から
第13回 権利/自由 翻訳の観点から
第14回 権利/自由 現代の展開
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義後コメントペーパーを忘れずに提出する事
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 科目に対する知識習得・理解度をはかる。 |
平常点 | 30 | 講義ごとに意見・感想を書いたコメントペーパーの提出を求める。提出されたものの内、講義に資すると思われるものは次回講義の冒頭で紹介する。1回紹介されるごとに平常点3%を加算する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
毎講義、コメントペーパーとフィードバックの内容をまとめたプリントを配布する。
時間が許す場合は、講義冒頭に読み上げる。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
渡辺浩『日本政治思想史』(2010,東京大学出版会)『明治革命・性・文明―政治思想史の冒険』(2021,東京大学出版会),河野有理編『近代日本政治思想史』(2014,ナカニシヤ出版),『日本思想史事典』(2020,丸善出版),苅部直『日本思想史への道案内』(2017,NTT出版)