シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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基礎演習2 | 2024 | 秋学期 | 木3 | 法学部 | 谷﨑 秋彦 | タニザキ アキヒコ | 2年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-BS2-002S
履修条件・関連科目等
思想に興味があり、共同して思想書を読むことを有意義だと思う人。自分の見解を表明し相手を説得することに、および他者の見解を尊重して聞くことに興味をもっている人。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
前半に引き続き、選定された難しめのテクスト(哲学者の書いたもの、など)を読みつつ、討議などを行う、の継続となります。
テクスト本文の基本的な理解、それに先立って押さえておく前提についての習得、本文を各自の視点から読み解き、発展的な議論を行う、のような形式で進んでいく予定です。
後半は、より発展の度合いを高める、という方針です。
科目目的
哲学書あるいは思想書を一冊でも読み進めることにより、難しめな本に対する苦手意識をなくす。演習の同級生と意見を交換しながら、自分本位にならず他の意見も尊重し、書かれている内容を書かれているとおりに把握する修練をする。一冊を読むことによって、自信もつき、視界も開け、これにより二冊目以降を読むことは、比較的容易となるでしょう。
最終的な目標は、難しい本の難しさを理解したうえで難しい本を読めるようになることです。
到達目標
思想的な書物を深読みすることに習熟する。そのために、自分の固有な〈読み〉を練磨するとともに、他の人の意見を傾聴することにも意を払うようになる。
授業計画と内容
後半(秋学期)
第十五回 テクストの再検討(合議により、別の材料を底本とすることもありえる。)
第十六回 講読と討議(問題の歴史的経緯を考える)
第十七回 講読と討議(西洋と東洋との相違を考える)
第十八回 講読と討議(研究書を参照する)
第十九回 講読と討議(古典とのつながりを探る)
第二十回 講読と討議(思想が時代に拘束されていることを考える)
第二十一回 講読と討議(思想が風土に拘束されていることを考える)
第二十二回 講読と討議(思想が文化に拘束されていることを考える)
第二十三回 講読と討議(思想が構想する未来を展望する)
第二十四回 講読と討議(精読を試みる)
第二十五回 講読と討議(解釈を深める)
第二十六回 講読と討議(精読と解釈とを統合する)
第二十七回 発表(前半担当者)
第二十八回 発表(後半担当者)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・主要テクストの講読にあたり、毎回指定の箇所について下読みをしてくる必要あり。
・授業内で扱われたことは各自で消化して、次回の読解に役立てることが求められる。
付記:思想的な書物に触れたい、あるいは思想的な問題について思索したい、そのように思う者の絶対数は多くないかもしれないけれど、少なからず存在するといえるでしょう。当ゼミは、そのような人々も孤立することなく集まれる場所です。独自な意見を持つことは必ずしも求められていません。まずは虚心にまた精緻にテクストを読むことを基本としたいですね。テクストの奥深さを理解したうえで自分の考えを構築することが望まれるところです。
ゼミとは別に、各自で自分の好きな活動を続け、場合によってはそれをメンバーの間で共有し、人生を豊かにするのがよいでしょう。芸術の鑑賞、あるいは藝術活動などは哲学的思索と極めて親和的です。いわゆる文芸作品も思想と決して別物ではないので、それらを読むことは大いに推奨されます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 期末に課されるレポート(一回)。例年では、使用テクスト、あるいはその周辺に関する論題で自由に作文、という課題。これと併せて、書いたものを下地にして、口頭発表(5~10分程度)することが期末課題になります。 |
平常点 | 40 | 毎回の授業における参加の度合いなどが考慮される。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
調べもの、提出物、質問、などで語るべきことがあれば、翌週以降に言及する予定。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
すべては参加者の意向に則してのこととなるが、
相当数の人数がいる場合、グループ分けして、論議、ディスカッション、あるいは共同研究、のようなことも視野に入る。
各学期の最後には、自らの書いたものに即して口頭発表が予定されているので、これはプレゼンテーションに属すると言える。
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
使うとすれば respon、コメントスクリーン などを予定
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
当演習で扱う書物は、選抜時に提出された各自のレポートと最初の会合での摺り合わせとによって選定されます。――参考までに、これまで扱ったものは:マイケル・サンデル『これからの正義の話をしよう』、プラトン『饗宴』『国家』(部分)、オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』、ベンヤミン『複製技術時代の藝術作品』、フロイト『幻想の未来/文化への不満』、アーレント『人間の条件』、ハイデガー『形而上学入門』、『形而上学とは何か』、『ニーチェ(芸術としての力への意志)』、シェリング『学問論』、カント『純粋理性批判』、ヘーゲル『精神現象学序論』、ニーチェ『反キリスト者』、『喜ばしき知恵』、アリストテレス『形而上学』、夏目漱石『私の個人主義』、デカルト『哲学原理』、シュピュリ『アルプスの少女ハイジ』、斉藤幸平『人新世の資本論』など
その他特記事項
哲学書は、当人が分かったつもりで読んでいても、独りよがりの読み方をしている場合も多々あるのが実状です。この演習は多人数で晴朗に楽しみながら、他者の読みを尊重しながら読み進めることを目指しています。各自の独自な意見をもつことが参加の条件なのではなく、他人の言葉を尊重する人々の参加が望まれています。