シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習A2 | 2024 | 秋学期 | 金3 | 法学部 | 七沢 潔 | ナナサワ キヨシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-OL3-016S
履修条件・関連科目等
総合講座「ジャーナリズム論2」を履修していることが望ましい。
ジャーナリストやクリエイターを志す学生、メディアへの就職を希望する学生。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
前期では20 世紀前半に誕生した映像表現・ドキュメンタリーの歴史を年代別に作家と
作品を通して学び、世界の切り取られ方、表現のされ方の変遷や、主題の移り変わり
や制作者の視点のありか、映画、テレビ、ネットとメディアが展開する中での個性化
などを考える。後期は自らの関心と感性を生かした制作に取り組む。
科目目的
映像による世界の記録であるドキュメンタリーの名作を歴史的に通覧し、その表現とリアリティ、技術の変遷についての知見を深めることで、メディアリテラシーを深める。
到達目標
ドキュメンタリーについての知見を深め、自らも企画・取材・撮影・編集・上映の過程を体験することで、メディアや映像を読み解き、構築する能力を高め、表現力、発信力を豊かにする。
授業計画と内容
(前期)ドキュメンタリーを学ぶ
第1回 ガイダンス、ドキュメンタリーの誕生(フラハティ「極北のナヌーク」1922年)
第2回 プロパガンダ映画(エイゼンシュタイン「戦艦ポチョムキン」1925年ほか)
第3回 戦争に向き合う(亀井文夫「戦ふ兵隊」1938年ほか)
第4回 ドキュメンタリーの戦後(羽仁進「教室の子供たち」1954年ほか)
第5回 テレビ・ドキュメンタリーの個性的な展開
(吉永春子「街に出よう~福祉の反逆・青い芝の会」1977年ほか)
第6回 多様化するドキュメンタリー表現(河瀨直美「につつまれて」1992年ほか)
第7回 どんなドキュメンタリーをつくるか?
(去年のゼミ生の作品上映とトーク、後期の映像作品制作の企画について話す)
(後期)ドキュメンタリーをつくる
第8回 各自の制作について構想を語りあい、制作グループを編成する。
第9回 企画の発表とディスカッション
第10回 取材の仕方、企画の進捗状況の確認 (参考になる作品の上映)
第11回 ロケ(撮影取材)の段取りと留意点
第12回 ロケの途中経過報告(素材の上映=ラッシュと批評)
第13回 粗編の上映と議論(編集作業を学ぶ)
第14回 完成作品の上映と相互論評、講評
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
夏休みか秋に、企画合宿ないしは、沖縄や福島などへのスタディーツアーを行う。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 学年末に、1年間の授業で学んだことについて総括のレポートを 提出する。 |
平常点 | 30 | 授業出席、意見交流での発言、制作過程の参加姿勢などを総合します。 |
その他 | 40 | 作品の内容の出来と、本人の関わり方を勘案して評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
作品制作は個別のアクションの良しあしだけでなく、チームワークも重要です。将来ジャーナリストや映像作家にならずとも、社会人として生きていくうえで重要な、人との関わり方も評価点として重視します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
後期に制作した作品はOBや教員なども招いた上映会を企画して発表する。
担当教員による全作品の講評は学期末に文章化して全員と共有する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
作品制作の過程では、粗編などの素材をYouTubeの「ゼミチャンネル」などにアップ、視聴した教員の意見をmanabaなどを通じて公表して、意見交換する。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
テレビ局で40年にわたり、主にドキュメンタリー番組を制作してきた。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
自分の制作した作品もふくめ、多くの作品を上映し、履修生の発する感想や質問に応えながら、その作品に関わる社会的問題や背景、作品に表れた制作者の主張、表現の特徴などを解説することでドキュメンタリーへの理解を深める。
また、長年の実務経験を生かして、履修生の企画、取材、ロケ、編集を指導する。
テキスト・参考文献等
テキストは指定なし。参考文献は、
亀井文夫「たたかう映画~ドキュメンタリストの昭和史」(岩波新書1989)、
森達也「ドキュメンタリーは嘘をつく」(草思社2005)
エリック・バーナウ「ドキュメンタリー映画史」(筑摩書房2015)
七沢潔「テレビと原発報道の60年」(彩流社2016) 他
その他特記事項
授業時間枠外での作品上映会や、映画祭での鑑賞、ドキュメンタリー映像作家との交
流も設定したい。(長尺の作品も見るので隔週で3、4限続きで開講する)