シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
文学C | 2024 | 春学期 | 金4 | 法学部 | 宮坂 真依子 | ミヤサカ マイコ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-HO3-023L
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
*状況によって変更する可能性はありますが、現時点では、完全面接授業を行う予定です。
感染拡大状況によっては、オンライン双方向型授業(Webexのリアルタイム型授業)を併用する予定です。(初回授業については、授業開始前に何らかの形で、情報更新できるようにしたいと考えています。)
*授業の内容としては、古代ローマの文学作品である『変身物語』を題材としてそこからいくつか代表的な神話を取り上げ、古代ギリシア・ローマ世界の社会や、当時の人々がどのような考え方を持っていたかについて考察していきます。物語の性質上、「変身」がキーワードとなってきます。また、それぞれの神話からインスピレーションを得た後代の芸術作品や文学作品を鑑賞することで、古代の神話がいかにその後の時代に影響を与えてきたかも同時に観察・比較し、さらに現代の我々にも共通するような人間の持つ普遍的な性質等について、実際に受講生の皆さん自身に考えてもらいながら、進めていく予定です。
*下記の授業計画に、取り扱う予定の内容をおおまかに記しますが、受講生の皆さんからの意見や興味関心等を考慮しながら、多少変更を加える可能性があることは了解しておいてください。
科目目的
本講義では、ルネサンス期以来現代に至るまで、 西欧諸国では聖書の知識と並んで、基礎教養のひとつの柱とされる古代ギリシア・ローマ世界の知識について、特に「神話」を通して学習します。
さらに、それぞれの神話を読み解く中で、人間の思考や行動の普遍性について学び、それを現代日本に生きる我々とは無関係なものとして切り離すのではなく、むしろ比較・対照しながら、双方の共通点や相違点について考察し、大きく「人間理解」のきっかけとなるような授業内容にしたいと考えています。
到達目標
様々な神話を学ぶことで、それを単なる奇妙な空想上の物語として捉えるだけではなく、そこから「人間の思考や行動の普遍性」について学び取り、それを現代の事象と比較・対照し、双方の共通点や相違点について関連づけたり、考察したりすることを通して、現代日本に生きる我々の問題解決の際にもヒントとしていけるような視点を持てるようになること。そして、自分の考えを自分の言葉でわかりやすく伝えられること。以上の2つがこの授業の目標です。
授業計画と内容
1.イントロダクション: 授業の目的と概要
2.古代ギリシア・ローマの神々と現代にも生きる古代ギリシア・ローマの文化
3.古代ギリシア・ローマ文学の概説と『変身物語』
4.神話に描かれる世界の誕生と成り立ち
5.神話に描かれる典型的な恋愛関係:神と神、神と人間
6.神話に描かれる典型的な家族関係:父と娘、母と息子
7.変身の諸形態: 神々の変身
8.変身の諸形態: 神々の気まぐれによって与えられた変身
9.変身の諸形態: 罰として与えられた変身
10. 変身の諸形態:現存する事物の元となった変身
11.変身の諸形態: 褒美、恩寵として与えられた変身
12.変身の諸形態: 特殊な変身
13.後代の文学作品中に顕れる古代ギリシア・ローマ神話
14.まとめと総括
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
具体的には、毎週授業内で扱ったギリシア・ローマ神話(和訳)の該当箇所を実際に読んでいただき、それに関連して問いを提示するので、300字程度で考えをまとめて提出してもらい、講師がフィードバックをすることで、教員と受講者との双方向の対話の機会を確保します。
毎週の課題として読んでいただく文章は、基本的にはpdfでシェアします。
※より一層理解を深めたいという方向けには、多角的な知識を得ることができるように、参考となる古代ギリシア・ローマの文学作品や、関連書物、映像資料等を授業中に挙げるので、実際に手に取って作品に触れたり、西洋美術の展覧会等に行って実際の芸術作品に触れることも学習の一つになると思われます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 50 | 学期中または学期末に1〜2回程レポートを課す予定です。 |
平常点 | 50 | 面接授業またはWebExを利用した同時中継でのオンライン授業に出席し、授業中に提示する小課題を期日までに提出することで平常点をつけます。 ※特別な理由のない限り、2/3以上の「出席」を求めます。もちろん特別な理由がある場合には、できるだけ対処したいと考えているので、個別に申し出てください。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題の内容としては、「正解」を問うようなものではなく、受講者自身が考えた各自の「意見」を問うようなものを出題する予定です。
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
manabaまたはメールで課題を提出してもらい、それにmanabaまたはメールで個別にフィードバックするか、あるいは授業中に講評・解説の時間を設ける形をとる等、受講人数によって、臨機応変に対応予定です。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
◼︎テキスト◼︎
テキストは特に使用せず、毎回資料を配布する予定です。
◼︎参考書◼︎
宮城徳也『ギリシャ・ローマ文学必携』(早稲田大学オンデマンド出版シリーズ、2006年、早稲田大学文学部)ISBN: 4887522843
オウィディウス著、高橋宏幸訳『変身物語 (1) 』(西洋古典叢書、2019年、京都大学学術出版会、ISBN: 9784814002221)
オウィディウス著、高橋宏幸訳『変身物語 (2)』(西洋古典叢書、2020年、京都大学学術出版会、ISBN: 9784814002801)
その他特記事項
◼︎授業の工夫◼︎
この科目はパワーポイントを用いての講義形式です。
ただし、受講者の理解度や興味関心を知るために、基本的には毎回の授業に関連して出す小課題を提出してもらったり、講師がメールまたは次の授業時間中にフィードバックを行う等、一方的な知識の伝達にならないよう、双方向的なコミュニケーションをはかる予定です。