シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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法曹演習 | 2024 | 秋学期複数隔週開講 | 木4,木5 | 法学部 | 福田 純一 | フクダ ジュンイチ | 1年次のみ | 2 |
科目ナンバー
JU-LA1-003S
履修条件・関連科目等
法曹(弁護士、裁判官、検察官)、公務員、企業における法務部等で働くことに興味を持っている学生、実務的な演習を通じて法律の勉強への意欲を高めたい学生、教科書や答案作成を中心とした学習のみではなく模擬法律相談、模擬証人尋問・当事者尋問を通じて法律を立体的に学習することに興味を感じる学生。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
・基礎知識の説明と確認、模擬法律相談、模擬交渉、通知書・契約書・訴状・答弁書等の実務文書の作成(書籍、インターネット等の利用可)を行う他、履修生を原告チーム・被告チームに分けて模擬民事裁判を実施します。
・講師の弁護士としての実務経験をもとに各回の内容を実務的な側面から指導するとともに、弁理士として経験をもとに知的財産権の実務の紹介を行います。
・外部講師(ゲストスピーカー)を招聘し、法制度・裁判・法律実務に関連する講演を実施する(過去には、本学法学部OB・OGの、参議院法制局課長、映画製作会社・アニメーション製作会社の幹部、大手法律事務所の若手パートナー弁護士、米海軍内で長年法曹として勤務した経験を持つ米国弁護士、特捜部などの多くの経験を持つベテラン検察官、大手法律事務所パートナー弁護士経験者で企業内弁護士としての多くの経験を持つ弁護士を招聘。)。
・春季休業期間中に希望者による米海軍横須賀基地内の軍事法廷への訪問及び同法廷の模擬裁判への参加を予定(2018年度まで9年間実施。2019年度から2021年度は新型コロナウィルスの感染拡大の影響により実施せず。2022年度より訪問及び米国法曹との交流を再開。)。
・授業内外において履修者に対し、各自が将来をイメージできるような機会や情報の提供を行います。
科目目的
事例の検討、実務上の書類(催告書、契約書、訴状、答弁書等)の作成、模擬法律相談、模擬交渉、民事模擬裁判等を通じて、法律の実務上の運用を理解することを目標とする。また、外部講師による講義や学外での見学活動を通じて、国内外における法の実務上の運用を理解することも目標とする。
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
1.法律用語を用いた表現・法制度に基づいた表現を、書面・口頭で行えるようになること。
2.1.を行うために、法制度の理解と調査を行えるようになること。
3.実務的な書面の作成と口頭による表現の基礎を体験すること。
授業計画と内容
・各回の授業において、民法の範囲別の基本的事項の確認と事例問題の検討、実務的な書類の作成・検討、模擬法律相談、模擬交渉等を行う。
・数回の授業に亘って、原告・被告2チームに分かれた模擬民事訴訟を実施する。
・ゲストスピーカーを招聘し、法律の実務について講師(福田)と異なる視点から実務の話をしてもらう(ゲストスピーカーの講演を行った場合には下記授業予定は調整前後に調整されるものとする。)。
各回の授業の予定は以下のとおり。
1回 自己紹介(講師・受講生)、民法総則に関する説明
2回 民法総則に関する事例の検討、模擬法律相談(グループワーク・ディスカッション)
3回 物権に関する説明
4回 物権に関する事例の検討、模擬法律相談(グループワーク・ディスカッション)、実務に関する書面作成
5回 担保物件、債権総論(債務の意義・目的・効力)に関する説明
6回 担保物件、債権総論(債務の意義・目的・効力)に関する説明に関する事例の検討、模擬法律相談・模擬交渉(グループワーク・ディスカッション)、実務に関する書面作成
7回 債権総論(受領遅滞、責任財産の保全、多数当事者の債権債務、債権の消滅)、債権各論(契約総論)に関する説明
8回 債権総論(受領遅滞、責任財産の保全、多数当事者の債権債務、債権の消滅)、債権各論(契約総論)に関する事例の検討、模擬交渉(グループワーク)、実務に関する書面作成
9回 債権各論(契約各論)、不当利得、不法行為に関する事例の検討、模擬民事訴訟の準備:訴状・答弁書作成(グループワーク)
10回 債権各論(契約各論)、不当利得、不法行為に関する説明、事例の検討
11回 模擬民事訴訟の準備:争点整理、書面の調整、尋問準備(グループワーク)
12回 模擬民事訴訟の準備:尋問事項決定、担当決定、具体的な尋問の練習(グループワーク)
13回 模擬民事訴訟:証人・当事者役との打合せ、最終確認、証人尋問開始(グループワーク)
14回 模擬民事訴訟:証人尋問、当事者尋問、裁判官による判決言渡し又は心証開示(グループワーク)
講義の内容は、履修生の現在の勉強が将来の業務にどのように繋がるかということがイメージできるものとする。)
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回の授業で出す課題(実務上の書面の作成。概ね15分~1時間程度で作成できる分量。)を準備して次回の授業までに提出する。それ以外の予習復習は特に必要とはしない。
任意参加の活動として、法廷傍聴、米海軍横須賀基地内軍事法廷(陪審員法廷)見学・米法曹との交流等を実施する予定(2019年度から新型コロナウィルス対応のために実施できていないが、2023年1月現在、再開に向けて調整中。)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 提出物(課題として出す、通知や契約書や訴状などの実務書面)の提出状況と内容の工夫(単にインターネットから引用するだけではなく、課題の事実関係に合せた形で法律に従い効果的な表現に変更する等)の状況を基準とします。 |
平常点 | 50 | 授業への参加、貢献度、授業態度(発言の頻度、他の学生との議論の姿勢、等)の状況を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
メールを使用して指導している。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
・模擬証人尋問・当事者尋問において、同じ尋問チーム同士の意思疎通にGoogleのスプレッドシートの共有を利用(2021年度 学生側の活用例)。
・Zoomを通じた外部講師による遠隔地からの講演(2021年度)
・Zoomのブレイクアウトルームを使ったグループワーク(2020年度 オンライン授業時)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
弁護士・弁理士として16年間、法律実務(訴訟、法律相談、通知書、契約書作成、交渉、社外取締役、破産管財人、海国際業務)及び、特許商標意匠の特許庁への出願業務に関わってきました。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
授業では、学生の皆さんには、法律実務(法律相談、通知書、契約書作成、交渉等)を模擬法律相談、書面作成、模擬交渉により体験してもらいます。また、授業において模擬民事訴訟を行うとともに、特許庁への出願業務についても解説を行います。
テキスト・参考文献等
テキスト:講師が容易するレジュメ。
参考文献等:各自の民法の教科書・テキスト・必要だと思うインターネット等の情報等。
その他特記事項
積極的に取り組む意欲があれば、多くのことを得られると思います。多くの履修生が法曹等の法律に携わる仕事に就いています。
略 歴
1996年3月 中央大学法学部法律学科卒業
2004年11月 一橋大学法科大学院入学(後に司法試験合格のため退学)、旧司法試験合格
2006年10月 弁護士登録(第一東京弁護士会)・弁理士登録(日本弁理士会)
村下法律特許事務所入所(本務先、至現在)
2009年4月 中央大学法学部兼任講師(法曹演習)就任
2018年10月 筑波大学法科大学院非常勤講師就任
2018年11月 IT企業社外取締役(監査等委員)(2021年3月まで)
2021年6月 光学機器関連企業社外取締役(監査等委員)(2022年6月まで)
2023年12月 京都精華大学マンガ学部非常勤講師就任
自己紹介
2006年に弁護士・弁理士として仕事を始めてから、映画・アニメーション・ゲーム等のエンターテイメント分野や出版に関する著作権の事案や、ブランド・映画・アニメーション・キャラクターに関する商標権等の事案などの、知的財産権に関する事案や、一般民事事件、刑事事件、企業関係の法務(会社法、労働法等)等を取り扱ってきました。また、弁理士として商標や特許の出願等の対特許庁の業務を行っています。
授業においては、法律の理論よりは法律の実務の話題を中心にして、大学の授業で学習する法律が実務ではどのように使われているのかということを、書面の作成や模擬裁判を通じて体感してもらいます。
また、私の経験や、弁護士に限らず法分野で本学の卒業生の皆さんがどのように活躍されているかということも皆さんに伝えたいと思っています。
参考URL
http://www.murashita-lawpatent.com/lawers03.html