シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国際教養演習Ⅱ | 2025 | 秋学期 | 金4 | 商学部 | 福西 由実子 | フクニシ ユミコ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-02XS
履修条件・関連科目等
3年次配当の事前登録科目であるが、4年生の履修も大いに歓迎する。
国際教養演習Ⅰ・Ⅱはセット科目。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕
現代イギリス文化論
第二次世界大戦を経たイギリスではどのような文化が隆盛してきたのだろうか?本ゼミでは、現代イギリス文化の諸相について、社会構造との関わりという観点から考える。
(春学期)
春学期は現代イギリス通史の理解を目的として『イギリス現代史』を主テキストとし、輪読する。その際、ゼミ生全員が各々の関心に沿った章を担当し、プレゼンテーションを行う。春学期後半には、秋学期のゼミ論執筆に向けて、論文作成の作法を確認する。ゼミ生の希望があれば学期中に日帰り見学調査(横浜あるいは丸の内周辺)あるいはゼミ合宿を行う。
(秋学期)
秋学期が始まるまでに、ゼミ生は興味のあるイギリス文化的事象の一つを自身の研究テーマに設定する。秋学期前半は、ゼミ生と相談の上選んだテキストを輪読する。現時点ではフランスの社会学者ピエール・ブルデューが「趣味と階級」との関係性を論じた『ディスタンクシオン』をベースに、趣味(hobby、tasteの両方を含む)という個人的な領域がいかに社会と結びついているかを考え、そのケーススタディとして、イギリスの社会学者ポール・ウィリスが階級格差の再生産について論じた『ハマータウンの野郎ども』を想定している。
後半は、学期末課題論文(ゼミ論文、6000字以上)を仕上げる。担当教員の個別面接による論文指導と並行して、各ゼミ生が①テーマ発表、②中間報告、③最終発表を行い、学期末に完成版を提出する。
2025年9月または2026年2月初旬にイギリスで実態調査を行う予定であるが、ゼミ生と相談の上決定する。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされている。この科目を通して、イギリスの歴史・文化に関する知識を深め、それらと関連があるビジネスや社会活動について学習し、将来、多様な言語・文化背景をもつ人々と協働するために必要な姿勢やスキルを身に着けることを目的とする。
到達目標
歴史学、文学、社会学、文化人類学等の立場を越境的に横断しながら、「文化」を考える力を養うことが到達目標である。最終的には、論文の形式や情報収集方法を学んだ上で自分自身のテーマに取り組み、ゼミ論文としてまとめる。
授業計画と内容
(春学期)
第1回 オリエンテーション
第2回 『イギリス現代史』『労働者階級の反乱』および、現代イギリスの諸相についての解説
第3回 1930年代までのイギリス社会
第4回 1940年代――福祉国家の誕生
第5回 1950年代――「豊かな社会」への変貌
第6回 1960年代――文化革命の時代
第7回 1970年代――「英国病」の実像
第8回 1980-90年代――サッチャリズム
第9回 1990-2000年代――「第三の道」
第10回 2010年代――岐路に立つイギリス
第11回 2020年代ーーbefore/with/after コロナとイギリス社会
第12回 論文作法について(1)
第13回 論文作法について(2)
第14回 論文作法について(3)、実態調査について
――6月に日帰り見学調査または9月にイギリス実態調査――
(秋学期)
第15回 オリエンテーション
第16回 テキスト輪読・ディスカッション(1)
第17回 テキスト輪読・ディスカッション(2)
第18回 テキスト輪読・ディスカッション(3)
第19回 ゼミ論 テーマ発表(1)
第20回 ゼミ論 テーマ発表(2)
第21回 ゼミ論 テーマ発表(3)
第22回 ゼミ論 中間報告(1)
第23回 ゼミ論 中間報告(2)
第24回 ゼミ論 中間報告(3)
第25回 ゼミ論 最終発表(1)
第26回 ゼミ論 最終発表(2)
第27回 ゼミ論 最終発表(3)
第28回 秋学期のまとめ、実態調査について
――イギリス実態調査(9月に実施しなかった場合)――
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
(春学期)・(秋学期)
テキストの指定された箇所については、ゼミ生全員が、必ず演習の前に読んでくること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | グループ発表、個人発表、および授業における貢献度を評価基準とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
(秋学期)
平常点(グループ発表、個人発表)50%、学期末課題論文(ゼミ論文、5000字以上)50%
※春・秋学期とも、授業への参加が3分の2以上の者を採点対象者とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
(春学期)
・長谷川貴彦『イギリス現代史』(岩波書店、2018年)
(秋学期)
以下の二冊を想定しているが、ゼミ生と相談の上決定する。
・岸政彦『ブルデュー『ディスタンクシオン』(NHK100分de名著)』(NHK出版、2020年)
・ポール・ウィリス『ハマータウンの野郎ども――学校への反抗・労働への順応』熊沢誠他訳(筑摩学芸文庫、1996年)
【参考文献】
・ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体ーーナショナリズムの起源と流行』白石隆他訳(書籍工房早山、2007年)
・下楠昌哉他『イギリス文化入門』新版(三修社、2023年)
・セリーナ・トッド『ザ・ピープルーーイギリス労働者階級の盛衰』近藤康裕訳(みすず書房、2016年)
・ピエール・ブルデュー『ディスタンクシオン〈普及版〉――社会的判断力批判〈1〉〈2〉』石井洋二郎訳(藤原書店、2020年)
・エリック・ホブズボウム他『創られた伝統』前川啓治 他訳(紀伊國屋書店、1992年)
・松尾秀哉『ヨーロッパ現代史』(ちくま新書、2019年)
このほか、適宜指示する。
その他特記事項
〔募集人数〕
15名程度
〔注意事項〕
課題の発表および提出の期日は厳守すること。
あらゆる場面での積極的参加を重視する。
〔募集方法〕
①レポート課題 + ②オンライン面接試験
〔国外実態調査について〕
行き先:イギリス(ロンドン)
(※社会的状況によってはイギリス文化と関連する国内外の都市への変更もありうる。その場合は、ゼミ生と相談の上、行き先を決定する。)
日程:2025年9月か2026年2月初旬に1週間程度
調査内容;学生がそれぞれの学術的興味を持って、生きた文化的事象に触れ、吸収することを目的とする。建築、博物館・美術館の見学調査、キュレーターへのインタビュー等が中心となる予定。
〔ソフトウェアについて〕
ソフトウェアの利用なし。