シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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基礎マクロ経済学 | 2024 | 前期複数 | 月1,木3 | 経済学部 | 細矢 祐誉 | ホソヤ ユウキ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-TE1-01XX
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
現代の経済理論の主要二分野のひとつである、マクロ経済学の基礎理論を学ぶ。特に、45度線分析やIS-LMモデルについて触れ、基本的なマクロ政策の取り扱い方を学ぶ。その上で、上記理論の背景に触れて、それらをさらに発展されたモデルにおける政策効果を見る。
科目目的
マクロ経済学の基礎理論であるIS-LMモデル及びAD-ASモデルについて、その考え方の基礎を学ぶ。
<科目共通目的>
国民所得決定理論などのマクロ経済学の基礎理論を理解する。
到達目標
マクロ経済学は政策立案などに具体的に応用されることが非常に多い分野であり、財政学・金融論・公共政策・環境経済学・国際経済学など幅広い応用を持つ。これらについて、二年次以降の議論の基礎となる考え方を身につけ、以降の学習に役立てられるようにするのが本講義の目標である。
<科目共通目標>
失業、インフレ、経済不況など現実経済が抱える諸問題に対して、金融・財政政策などの経済政策の有効性を学習することを目標にする。
授業計画と内容
第一回:ガイダンス(シラバスに基づいて授業計画の説明を行う)
第二回:マクロ統計量(1):GDPの定義、歴史的経緯
第三回:マクロ統計量(2):三面等価、実質値と名目値
第四回:マクロ統計量(3):利子率と失業率、ローレンツ曲線とジニ係数
第五回:現代経済(1):戦後から現在までの日本の歴史
第六回:現代経済(2):世界と日本の歴史の対比
第七回:IS関係(1):有効需要の原理と価格硬直、45度線分析
第八回:IS関係(2):45度線分析の意味、乗数効果
第九回:LM関係(1):貨幣乗数と信用創造
第十回:LM関係(2):貨幣需要と利子とGDP、LM関係
第十一回:IS-LMモデル(1):GDPと利子の決定の基本モデル
第十二回:IS-LMモデル(2):金融政策と財政政策、クラウディング・アウトと流動性の罠
第十三回:ここまでのまとめ
第十四回:開放経済(1):GDPの国際比較、購買力平価
第十五回:開放経済(2):マンデル・フレミングモデル
第十六回:開放経済(3):為替レートの決定と金融政策、財政政策への影響
第十七回:失業とインフレーション(1):フィリップス曲線、歴史
第十八回:失業とインフレーション(2):失業の定義とその変動、貨幣錯覚と効率賃金
第十九回:AD-ASモデル(1):自然失業率と自然産出量、貨幣錯覚の導入
第二十回:AD-ASモデル(2):貨幣錯覚による自然産出量からの乖離とその修正
第二十一回:AD-ASモデル(3):長期フィリップス曲線
第二十二回:経済政策(1):金融政策とその効果
第二十三回:経済政策(2):財政政策とその効果
第二十四回:経済政策(3):経済の破綻
第二十五回:長期の経済(1):資本蓄積
第二十六回:長期の経済(2):ソローモデルと黄金律
第二十七回:長期の経済(3):貯蓄率の変化の長期的意味
第二十八回:授業全体のまとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
本授業において、四則演算以外に極度に難しい数学はほとんど出てこない。しかし、それでも学生諸君には数学的な議論に備えた予習を要求したい。理由は、まず第一に、数式が出て来なくとも理論の背景には数式があり、後々の理解のためには数学的思考が必須であること。第二に、授業内で数式はあまり使わなくとも、図はたくさん使う予定であるため、図に拒否反応が出てくるような学生はついてくるのが難しいこと。第三に、四則演算も立派な数学であり、なめてかかっていると簡単な試験の問題すら解けなくなること。第四に、他の授業でも数学を用いることが多いため、勉強は大学生活を通じて無駄にならないことである。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 90 | 期末試験でほぼ決定する。 |
平常点 | 10 | 場合によっては小テスト等を行う可能性がある。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:
中谷巌『入門マクロ経済学』第六版(2021)日本評論社 ISBN:978-4535557956
参考文献:
マンキュー『入門経済学』第三版(2017)東洋経済新報社 ISBN:978-4492315217
テキストは、家での予習復習、およびやむを得ず授業を休んだ場合の自習用である。
参考文献はマクロ経済学とミクロ経済学の双方を包含した内容であるが、マクロ経済学の部分は第8章以降になる。
その他特記事項
講師は、大学生はすでに大人であると考えている。大人というものは、自己管理を自己責任で行えるものである。また大人というものは、努力ではなく、成果で評価されるものである。
したがって講師は、大学生に対しては自己管理と成果を出すことを要求する。たとえば、講師は出席者への平常点の付与などを行わない。平常点は、出席という努力への対価であるが、努力しただけでは対価を与えられないのが大学である。勉強し、成果として試験やレポートで点数を出して初めて認められると認識するように。
<関連科目> 基礎ミクロ経済学、中級マクロ経済学、公共経済学、財政学、金融論、国際経済学、労働経済学などの近代経済学関連の各科目
『ミクロ経済学・マクロ経済学より構成される近代経済学は、緻密な論理構造をもち、現実の複雑多様な経済問題に対応する為の基礎原理を提供するものです。マクロ経済学はきわめて実践的な理論体系を有しており、上記関連科目を含む多くの応用分野における理論的支柱の一つであり、近代経済学を勉強する上で、ミクロ経済学と同様に、重要な基礎科目です。マクロ経済学の理論体系を理解し、現実の経済問題への応用力をつけるには、その内容を系統的に学ぶことが必要です。その為には授業への継続的な出席、真摯な態度での聴講および不断の学習が不可欠です。』