シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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日本経済論 | 2024 | 秋学期複数 | 火4,金2 | 商学部 | 村上 研一 | ムラカミ ケンイチ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-EO2-21XL
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
・日本の産業革命から1990年代不況に至る、20世紀日本経済の変遷を歴史的に考察します。
・各時代における日本経済の構造的変容について、それらを規定した世界経済や国際環境、政治環境との関連を重視しながら検討します。
・産業・企業の成長・停滞と、国民生活の変容との関連についても考察します。
・日本経済に生じた様々な事象について、経済理論とかかわらせながら理解をはかるようにしていきます。
・1990年代不況から今日に至る日本経済の動向について、「構造改革」、成長産業の分岐、国際分業と国際競争力などの諸要因を踏まえつつ検討します。
・上記の経済変動が国民生活に及ぼした影響、さらに今日の日本における格差・貧困と経済成長とのかかわりについて考察します。
・厳しい国際競争に直面する日本産業の現状と課題について、産業競争力と産業空洞化などの実態を踏まえつつ検討します。
・人々の真の豊かさにつながる経済活動の観点から、今後の日本経済の課題について展望します。
科目目的
本科目は、カリキュラム上の2年次以降に履修する経済系科目として位置付けられていることから、この科目での学習を通じて、学生が日本経済の成り立ちと現状に対する認識を深めるとともに、現代日本経済の抱える諸問題と諸課題に対する基礎的な知識を習得することを目的としています。日本経済の性格と特徴、国際的地位について、その全体像を把握することを目的とする。とくに、経済成長をリードしてきた産業動向を国際的視覚から捉え、今日、停滞状況に陥っている要因について理解できることを目的とする。
到達目標
前半では、日本経済の性格と構造について、歴史的・政治的条件、国際環境、国民生活との関連などの諸要因を踏まえて考察・理解することを目的とします。本講義で対象とする20世紀日本経済に生じた様々な経済事象について、基礎的知識を理解し、今日的問題とかかわらせながら考察できる力をつけることも目標とします。
2008年世界不況、2011年東日本大震災を経て、日本経済は貿易赤字が継続しています。他方、国民生活は「いざなぎ超え」と言われた2000年代好況下を含めて減退を続けています。後半では、こうした成長の限界、さらに「経済成長が人々の生活改善につながらない」日本経済の行き詰まりの要因を理解し、豊かな国民生活につながる経済のあり方を展望することを目的とします。受講者には、今日の日本経済のかかえる構造的問題を理解し、今後の日本経済の展望について考察できる力を培ってもらうことを目標とします。
授業計画と内容
1.日本の近代化と産業革命
2.戦前日本経済の構造と矛盾
3.世界恐慌から「15年戦争」へ
4.戦後改革と経済民主化
5.冷戦・占領政策転換と経済復興
6.高度経済成長(1)産業構造の変容
7.高度経済成長(2)企業と国民生活
8.高度経済成長の終焉
9.「減量経営」と輸出依存的「経済大国」化
10.「日米逆転」の1980年代
11.バブル経済と国民生活
12.冷戦終結と世界経済の構造変化
13.バブル破綻と不況転換
14.1990年代不況の長期化
15.「日本的経営」の変容とと国民生活
16.新自由主義的「構造改革」と日本産業
17.1990年代不況と「構造改革」の始動
18.「いざなぎ超え」景気の構造と内実
19.2008-9年世界不況と政権交代
20.東日本大震災と産業再編
21.「輸出大国」の終焉
22.「アベノミクス」と日本経済
23.地域衰退と国民生活
24.日本産業の国際競争力
25.現代日本経済の構造と特質
26.日本の産業再編の課題
27.格差・貧困と生活保障
28.現代世界の動向と日本経済
※上記授業計画は都合により変更する場合もありますので、予めご了解願います。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義の情報量が多く講義資料に書き込む形で進めるため、授業後にノートなどに内容を整理したうえで、次の回の講義に臨んでほしい。(100分)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 90 | 科目目的について、受講者の達成度を評価する。 |
平常点 | 10 | リアクションペーパー(提出は任意)を通じて、各授業ごとで扱った内容について、受講者が論点を深められている場合には積極的に評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
平常点10%、期末試験90%
・平常点は日々の授業で回収するリアクションペーパー(提出は任意)の内容を評価します。
※今年度については試験をレポートに切り替える場合もあります。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
リアクションペーパーを活用しながら、受講者が示した論点・疑問点に応える。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕テキストは指定せず、講義用資料を配布する。
〔参考書〕全体の内容にかかわる参考文献はさしあたり以下の通り。(下記の他、授業内でも提示する)
・村上研一『現代日本再生産構造分析』日本経済評論社
・村上研一『衰退日本の経済構造分析ー外需依存と新自由主義の帰結ー』唯学書房
・石井寛治『日本経済史[新版]』東京大学出版会
・井村喜代子『現代日本経済論[新版]』有斐閣
・原朗編『高度成長展開期の日本経済』日本経済評論社
・久保新一『戦後日本経済の構造と転換』日本経済評論社
・吉田三千男『戦後日本重化学工業の構造分析』大月書店
・丸山恵也『日本的経営ーその構造とビヘイビアー』日本評論社
・涌井秀行『戦後日本資本主義の根本問題』大月書店
・藤田実『日本経済の構造的危機を読み解く』新日本出版社
・金子勝『平成経済 衰退の本質』岩波書店
・支え合う社会研究会編『資本主義を改革する経済政策』かもがわ出版
・萩原伸次郎『「新しい資本主義」の真実』かもがわ出版
その他特記事項
日頃から新聞、テレビなどで世界と日本の経済・政治・国際関係などのニュースを把握する、また高校の「世界史」や「日本史」(とくに近現代)の学習内容を復習しておくと、講義内容がスムースに理解できる。また本講義では、ソフトウェアは使用しない。