中央大学

シラバスデータベース|2025年度版

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シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
演習1 2025 通年 金5 経済学部 瀧澤 弘和 タキザワ ヒロカズ 2年次のみ 4

科目ナンバー

EC-OM2-01XS

履修条件・関連科目等

※選考方法は経済学部事務室が公開する情報をご確認ください。
<履修条件>
1) やむを得ず欠席する場合には,全員に対して必ず連絡をすること
2) 瀧澤が講義する二年後期の「経済政策論」を受講することが望ましい.

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
【主要テーマ】:ゲーム理論と制度分析の視点

・ゲーム理論と制度の経済学の視点を学ぶこと
☆ 人と人の相互作用を考えるゲーム理論は、社会制度の成立の仕方を考えるための基本的な思考方法を提供してくれます。
☆ 行動経済学を通じた人間行動への理解は、われわれがどのように制度を創っていくべきなのかを考えるうえで重要です。
☆ これらの視点を身につけたうえで、制度改革への視点を身につけます。

【サブテーマ】
・プレゼンテーションと議論を通して、より広い知識と思考方法の獲得を目指します。
・ゲーム理論を学ぶ際に論理学を学ぶことになります。
・計量経済学の基本を2年の最初に学び、将来の卒論に使用する可能性を広げます。

科目目的

現代経済学の基本をなすゲーム理論的な思考方法・論理的な思考方法を身につけ,それを用いて,日本企業の特異性など日本の経済システムのあり方について表現できるようになることを目標とします.また,プレゼンテーションを行う機会を通じて,基本的な発表の仕方を学ぶことを目的とします.

到達目標

【演習1】
回帰分析などの基本的な統計手法を用いることができるようになる。
簡単なものであれば、一階の述語論理を用いて表現できるようになる。
ゲーム理論が何であるかを説明でき、さまざまなゲームをナッシュ均衡の概念を用いて説明できるようになる.
【演習2】
ゲーム理論のロジックを使用して、興味深い現実の現象を説明できるようになる.行動経済学の基本的結果を説明できるようになる.
【演習3】
特定の政策課題について、ゲーム理論や制度分析の視点から論じることができるようになる.(卒論のテーマ選択は,各人との相談で決めます.必ずしもゲーム理論や制度論で執筆しなければならないことはありません.)

授業計画と内容

「演習1」(2年次通年)

1) 計量経済学の基礎と論理学
・後々に応用経済学を学ぶための計量経済学の基礎をはじめに学びます。
・またゲーム理論を学ぶにあたって必要な論理学も学びます。
・論理学はわたしのレジュメを使用し、計量経済学は田中隆一『計量経済学の第一歩』をテクストとして用います。

2) ゲーム理論のテキストの輪読
・私のレジュメをもとに、簡単なテキストも併読しつつ、ゲーム理論の基礎を学ぶ。毎回の内容に対応して、読むべき部分が指定される。
・2名〜3名くらいのチームでレジュメを準備のうえ、要点を説明してもらう。そのうえで全体で議論する。
・スケジュールを皆さんと共有します。そこには細かく、毎回の到達目標が記述されていますので、それを目標にします。

3) プレゼンテーションとディスカッション
・課題図書とテーマを指定したうえで、そのテーマについて、5〜6名のグループでプレゼンテーションをしてもらい、全体でディスカッションする。グループは演習2の学生と組んで形成する。年に数回程度実施する。
・過去の例としては、シーブライト著『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?』(みすず書房)を課題図書とし、「進化論は経済学にどのような影響を与えているか」というテーマでプレゼンテーション・ディスカッションを行った。
・これを通して、現在のさまざまな分野における考え方と経済学との関係について知り、説明することができるようになる。

4) 具体的計画
・授業の1、2回目で、毎回の授業の内容を、「XXできるようになる」という目標とともに記したエクセル・ファイルを全体で共有し、それを改訂しながら、授業を進行していく。
第1回:全体計画の共有
第2回:計量経済学の基本的考え方
第3回:計量経済学のための確率論(1)確率分布と同時確率
第4回:計量経済学のための確率論(2)条件つき確率と確率変数
第5回:計量経済学のための確率論(3)連続確率分布
第6回:統計的推論の基本的考え方(1)標本平均,標本分散
第7回:統計的推論の基本的考え方(2)仮説検定
第8回:単回帰分析(1)最小二乗法
第9回:単回帰分析(2)パラメータに関する検定
第10回:重回帰分析の基本(1)外的条件のコントロール
第11回:重回帰分析の基本(2)分析後の検定
第12回:重回帰分析の応用
第13回:学年を超えたプレゼンテーション
第14回:予備日


〈8月~9月〉
夏合宿(2年と3年の合同):プレゼンテーション,後期でやることの計画策定

〈後期〉(適宜、2・3年の合同プレゼンテーションを実施します)
第15回:論理学(1)命題論理
第16回:論理学(2)命題論理
第17回:論理学(3)述語論理の表現
第18回:論理学(4)述語論理の経済学・ゲーム理論における具体的な使用方法
第19回:非協力ゲームとその類型化、ゲームの戦略型表現
第20回:ナッシュ均衡の定義とその求め方
第21回:さまざまなゲームとそのナッシュ均衡
第22回:混合戦略、混合戦略ナッシュ均衡
第23回:ゲームの展開型表現、動学ゲームにおける戦略と情報集合、動学ゲームの正規化
第24回:信憑性のない脅し、後方帰納法、部分ゲームと部分ゲーム完全均衡
第25回:完備・完全情報の動学ゲーム、時間的不整合性、コミットメント
第26回:コミットメント,交渉理論
第27回:不完備契約の理論
第28回:不確実性、モラル・ハザード、インセンティブ契約

〈1月~3月頃〉
調査旅行 調査テーマを決めて,レポートを執筆する.

「演習2」(3年次通年)

・基本的な内容は2年次が終了したときの春合宿で学生と相談して決定している。ゲーム理論の比較制度分析への応用に取り組むことが多いが、今年は行動経済学の政策への応用にとって重要な「ナッジ」の概念を学び、具体的なナッジの例を考えるという授業を学生中心で展開している。

・以下は過去の例である。
〈前期〉
『組織の経済学』と『慣習と秩序の経済学』の輪読
第1回:組織の経済学(1)—効率性
第2回:組織の経済学(2)—コーディネーション
第3回:組織の経済学(3)—動機づけ
第4回:学内プレゼン大会の練習(1)—ストーリーの論理的説明
第5回:学内プレゼン大会の練習(2)—スライドと発表の有機的連携
第6回:自生的秩序
第7回:進化ゲーム理論
第8回:コーディネーション・ゲーム
第9回:進化ゲームと所有の成立
第10回:進化ゲームと協力
第11回:自然法
第12回:進化と突出性
第13回:慣習と道徳
第14回:総括

〈8月~9月〉
夏合宿(2年と3年の合同):プレゼン大会の準備,秋以降の計画の策定

〈後期〉
第15回:比較制度分析とは何か
第16回:情報システムとして見た企業
第17回:企業システム-日本とアメリカ
第18回:労働契約の理論
第19回:プレゼン大会のリハーサル
第20回:日本の雇用慣行
第21回:企業間関係
第22回:コーポレート・ガバナンス
第23回:状態依存型ガバナンス
第24回:メインバンク・システム
第25回:政府・企業関係
第26回:経済システムの生成と相互接触
第27回:日本の経済システムの生成
第28回:比較制度分析のパースペクティブ


「演習3」(4年次半期)

・卒業に必要な単位数にかかわらず,全員に対して,なるべく卒論を執筆することを奨励しています.
・後期に授業が開始される前(前期~夏休みの期間)に、戸田山和久『論文の教室』を読んでおくことが必須です.
・第1回目の授業で,A4で1枚程度の案を執筆して,持参すること
第1回:論文を書くということ(1)—論文の必須要素,問いの探し方
第2回:論文を書くということ(2)—アウトラインの作り方
第3回:問いをブレインストーミングで出してみる
第4回:すばらしい問いの例(1)クラウディア・ゴールディン
第5回:すばらしい問いの例(2)ハルトムート・ローザ
第6回:各自のアイディアの発表
第7回:ビリヤード法とRPG法
第8回:読書・調査とアウトラインの作成
第9回: アウトラインの修正と執筆(1):ノートのとり方
第10回:アウトラインの修正と執筆(2):アウトラインの成長のさせ方
第11回:アウトラインの修正と執筆(3):引用の仕方
第12回:アウトラインの修正と執筆(4):参考文献
第13回:完成原稿のチェック
第14回:完成原稿の提出

※ 卒論の発表会を3月の第一土曜日に行います.ここには,現役生のみならず,OB・OGの方もいらっしゃいます.卒論を提出しなかったゼミ生も参加してください.

授業時間外の学修の内容

その他

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

履修者の希望により、学内プレゼン大会に参加する。

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
レポート 30 ナッシュ均衡の概念を応用できるようになったか。
平常点 70 討論に参加したり、質問をしたりして、自主性を発揮できるようになったか。

成績評価の方法・基準(備考)

【演習1】
平常点80%、レポート(小テストを含む)20%
ただし、出席率が70%に満たない者、課題を提出しない者はE判定とする。
・レポートでは,ゲーム理論の基本概念(とくにナッシュ均衡)が理解できているかどうかを見る.
【演習2】
・ ゲーム理論を用いて,日常的な相互作用を見ることができるようになっているか(100%)
【演習3】
・自ら研究テーマに関する問いを立て,研究活動を遂行し,構造のある文章を書くことができるようになったか(100%)

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

・レポートについては,期間中にコメントを付して返却するほか、解説も行う。

アクティブ・ラーニングの実施内容

ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/その他

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

・ 演習1~3で,ディスカッション,プレゼンテーションを実施する。
・ ゲームの実験を行う。

授業におけるICTの活用方法

クリッカー

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

・ オンラインで授業しなければならない場合には、ゲームの実験をクリッカーを用いて行う。

実務経験のある教員による授業

はい

【実務経験有の場合】実務経験の内容

・ 経済産業研究所に勤務し、各プロジェクトを現代日本経済が直面する問題全般の文脈に位置づけて予算策定に携ったほか、アニュアル・レポートの作成にも携った。
・ 産業組織に関連する研究を行った。

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

・ さまざまな政策課題を比較制度分析の観点から位置づけ、学生が論文を執筆する際のアドバイスに役立てる。

テキスト・参考文献等

・現状で決定しているテキストは、演習1と2を通じて、以下の通り
瀧澤弘和『現代経済学─ゲーム理論・行動経済学・制度論』 中央公論新社、2018年 (中公新書) ISBN: 4121025016

・一般的な参考文献としては、
ジョン・マクミラン(2021) 『新版 市場を創る』 瀧澤弘和・木村友二訳、慶應義塾大学出版会 ISBN: 9784766427837

・ゲーム理論の基本的な内容については、私のレジュメで行う予定であるが、副読本として、
天谷研一(2011)、『ゲーム理論入門』 日本能率協会マネジメントセンター
または
渡辺隆裕(2008) 『ゼミナール ゲーム理論入門』 日本経済新聞出版社
を使用する可能性がある

・演習2の輪読については、参加者と相談の上、決定する。

その他特記事項


 教員の研究活動のなかで、経済実験を行うことがしばしばある。その際に、実験参加や実験実施について協力をもとめることがある(研究費によるアルバイトなど)。

参考URL

【Webサイト】:http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~taki/prof.html

【E-メール】:taki@tamacc.chuo-u.ac.jp

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